
リビングはダイニングやキッチンと一体の空間として計画することが一般的ですが、この邸宅ではバルコニーとの接続を重視し、リビングは独立した位置に配置されています。ダイニングより少し高い3.15mの天井高に設定し、寛ぎの空間としてより開放感を愉しめるようにしました。
一見シンプルに見える壁は左官仕上げ。下に黒色、上にグレーの二色の左官材を塗り重ね、最後に上の色を削り落として黒色を露出させる、という特殊な仕上げとしています。一色で塗り上げてしまうより立体感や刷毛のあとなどのテクスチャーが明瞭になり、手仕事による上質感、個性の感じられるデザインとなりました。
◆LIXILメンバーズコンテスト2023「地域特別賞」「空間デザイン賞TOSTEM部門」受賞
建物内に豊かな屋外空間を擁する、回廊型の邸宅。
アウトドアリビング・ダイニングとなる大きなテラスや緑豊かな中庭と室内空間を繋ぎ、広がりと非日常感を愉しめるように計画しました。
寛ぐ空間はゆったりと確保されている一方、家事動線は極力コンパクトにまとめ、暮らしの負担を軽減する工夫を採り入れています。
非日常感のあるリゾート風テラスに調和する内装は、ひとつひとつ妥協のない素材の選定、個性と技術を感じさせる仕上げにより、落ち着いたシックな雰囲気ながらありきたりにならず、上質で特別感のあるデザインに仕上がっています。
オーダーメイドならではの機能性と意匠性、隠れた遊び心が光る住まいです。