
SE構法で構成された空間は、余計な柱・壁の不要なシンプルな空間となります。その上で視界の抜け感や使い勝手を考えながら、造作や壁を足していくSEならでは逆算の設計手法です。
閑静な住宅街の中でもひときわ緑あふれる、ビレッタの中で注文住宅を建てられたD様。土地面積は約115㎡(34坪)で建ぺい率60%、容積率200%の敷地です。前面道路も広く、向かいには家のない、南向きの日射の条件がとても良い環境。駐車場については、ビレッタの街に最初から指定の駐車・駐輪スペースがあることから、単純に「家」のみを検討していくことが可能でした。敷地の中にどんと据えるように4間×4間の最も構造が安定しやすい整形のキューブ型で家を設計していきました。
まず最初に検討したのは、庭への繋がりと日射、そしてプライバシーそれぞれの度合いです。どちらも明るさや視界の抜け感に関わり、大きく繋げれば繋げるほど、プライバシーという点ではあまり良くありません。しかし、今回は庭に広く繋げなくても、共有の庭を好きな時に好きなだけ庭を楽しめるというビレッタの特徴から、南の道路面と庭面に対してどちらも少しだけ繋げるという関係にとどめて設計させていただきました。
庭面との視界の繋がりや、風や光をワンクッション入れる意味合いもあり、土間を庭面に集約して緩衝帯としてリビングとの間に設置、ギャラリーとしても使える多目的なスペースとして土間リビングをご提案させていただきました。インテリアに寄与するだけでなく、西面であることから冬場の土間空間での蓄熱作用についても期待できる、ほっこり空間となりました。
また、南からの光を導くために、外観の特徴にもなっている囲いのあるバルコニーを南面に設け、吹き抜けを通じてリビングへふわりと光を届けるパッシブ設計となっています。 またひとつ、庭と太陽を楽しむタイコー流の快適なパッシブハウスが誕生しました。