注文住宅を建てるなら、依頼する会社選びが肝心です。大手のハウスメーカーに依頼すべきか、それとも、工務店を選ぶべきか悩まれている方も多いと思います。工務店というと「なんでも相談できる地元の大工さん」というイメージの方も多いと思います。今回は、そんな工務店で家を建てるメリットや、見極め方のポイントをご紹介します。
工務店とは
工務店とは、住宅の設計から施工までワンストップで請け負う会社を指します。会社の規模や営業形態はさまざまですが、一般的にイメージされるのは、社長と職人で構成される地元の小さな工務店ではないでしょうか。このタイプの工務店は、丁寧で確実な施工の腕前はもちろん、地域密着型であるからこその親しみやすさや、柔軟な対応力が魅力と言えます。
工務店にはこのほか、営業エリアが近隣県にまで及ぶ中堅ビルダーや、大手ハウスメーカーのフランチャイズ加盟店などもあり、いずれも比較的狭いエリアの中で地域に根ざして営業している点が共通しています。
工務店とハウスメーカーの違い
工務店が小規模かつ地域密着型であるのに対し、ハウスメーカーは全国に自社ブランドを展開しています。広い営業エリア内で品質を一定に保つために施工手順がシステム化されていて、プランや規格などが統一されているのも特徴の一つ。また、各地に住宅展示場を構え、常時モデルハウスを公開しています。
工務店に注文住宅を依頼するメリット
自由度が高い
工務店は会社規模が小さいため、あらゆる面で自由度が高いというメリットがあります。例えば設計に関しては、規格が定められているハウスメーカーよりも間取りやデザインの要望を汲み取ってもらいやすい傾向にあります。また、相談やトラブルにすぐに対応してくれる小回りの良さも魅力です。
コストを抑えやすい
コストを抑えやすいのも工務店のメリットの一つ。ハウスメーカーに依頼する場合は、人件費や広告宣伝費、モデルハウスの管理費などが建築費に盛り込まれることがあります。このため、同等の家を建設するなら、工務店に依頼する方が安く済む傾向にあります。
風土に合った家を建ててもらえる
工務店の多くは、昔から地元に根付いた事業を展開してきました。このため、その土地の自然環境や住環境に精通しており、最も適した住宅を建てられるノウハウを身につけています。その地域の風土によく馴染み、年中快適に暮らせる住宅を建てるなら、工務店がおすすめです。
工務店に注文住宅を依頼するデメリット
工期が長くなる可能性がある
ハウスメーカーは部材を工場で生産・加工するのが一般的で、一部の部材を組み立ててから現場へ搬入するケースもあります。このため、着工がスムーズで工期が短い傾向にあります。一方、工務店はその家ごとのデザインに合わせて現場で加工する場合もあるので、ハウスメーカーと比べると工期が長くなることがあります。
モデルハウスを見学できない場合も
工務店は、ハウスメーカーのように自社のモデルハウスを展示していないことが多く、住宅の完成後をイメージできる材料が画像だけとなる可能性があります。ただし、近年は完成した物件の見学会などを開催している工務店もあるため、積極的に活用してみてくださいね。
工務店の選び方のポイント
施工実績
施工実績を見れば、その工務店の得意なデザインや、こだわりの工法、住宅性能などを知ることができます。まずはwebサイトを見て施工例を探し、気に入ったものがあれば問い合わせてみましょう。実際に完成物件を見学できる機会があれば、仕上げのクオリティなども確認すると良いでしょう。
プランニング力
最初の打ち合わせの際に、担当者のプランニング力を見極めることも大切です。こちらの要望を伝えた上で、的確にプランを形にしてくれるか、あるいは現実的ではない要望に対して代替案を提案してくれるかどうかを確認しましょう。また、その担当者とは完成後も長くコミュニケーションを取り続ける可能性があるため、相性や人柄にも着目しましょう。
保証やアフターサービス
保証やアフターサービスが充実しているかどうかも、工務店選びの重要なポイントです。契約前に、完成後の定期メンテナンスやトラブル時の対応などについて説明を受け、納得できる内容であるかどうか確認しましょう。また、その会社の口コミや評価も参考にすると良いでしょう。
まとめ
家を建てる際に注目すべきは、施工のクオリティだけではありません。信頼と実績のある工務店には、その土地に対する知見や、困った時にすぐに頼れる心強さなど、長年地域で愛され続けてきただけの理由があります。
皆さんも地元の職人の手によって建てられた、心温かな住宅で暮らしてみませんか。ぜひ工務店への依頼を検討してみてくださいね。
