贅沢な休日を過ごすための洗練を極めた和モダン








贅沢な休日を過ごすための洗練を極めた和モダン
寛ぎ、静かな時間を過ごす中庭を囲むLDK
滋賀県大津市の閑静な住宅街にあるN邸は洗練された和モダンの家。ダークブラウンとベージュを基調とした空間に中庭からやわらかな光が注ぐ。「心から寛げるような、落ち着ける空間が理想でした」とNさん。歯科医院を開業し、多忙な日々を送るNさんだが、休日にはご夫妻でバドミントンを楽しむなど、外出してアクティブに過ごすことも多い。その分、家ではゆったりと過ごしたいと、落ち着きのある和モダンの空間を望んだ。
外観はモノトーンのキューブが連なったようなデザイン。玄関ホールの左手には茶室のような和室があり、深い藍色の壁がモダンさを際立たせている。右に進むとダイニングキッチン、さらにその奥には暖炉のあるリビング。広々としたLDKには柱や壁がなく開放的で、高い吹き抜けからは空が望める。「在来工法ではこのような抜けのある大空間は不可能ですが、強度計算を一棟一棟しているSE構法なら自在です」と施工を担当した大輪建設の大橋雅子さん。
LDKは中庭を囲むようなL字型に。キッチン前とリビング前の2面に中庭につながる大開口があり、LDK全体にさわやかな風が通る。住宅街のため、中庭の接道面には外壁を立てているが、少し視線を上げれば中庭や吹き抜けの窓越しに青い空が広がっていて、開放感は抜群。さらに、リビングには煙突の長い暖炉を置いたり、見上げるような位置にシャンデリアを飾るなど、天井の高さを強調する仕掛けが。こうした開口部や吹き抜けを利用した縦方向の広がりが、空間にさらなるのびやかさをもたらしている。
心地よい居場所を部屋の各所に配する
ご夫妻二人で過ごすにはかなりゆとりがあるLDK。ともすれば広いスペースは「落ち着かないし、いつもの定位置しか使わない」ということになりがちだが、ご夫妻は空間をまんべんなく使い、日々思い思いの場所で寛いでいる。それを可能にしたのは、LDKにつくられたたくさんの「居場所」。お茶を飲むときはサブリビング、音楽を聴くときはソファ、PCに向かうときは書斎コーナー…など、それぞれのシーンに似合う居場所が空間にちりばめられている。また、座る位置によってアングルが変わり、広いLDKが異なった風景に感じられる。居心地がいいだけでなく、いつも新鮮な気持ちで毎日を過ごせる空間が実現している。
個の時間も充実させる秘密のアトリエや露天風呂
一方、2階は寝室や浴室などのプライベートや趣味のための場所。ご主人が趣味のNゲージ模型を製作するためのアトリエや、ゲストルームにもなるトレーニングルームなどを配した。「露天風呂のようにのびのびしたバスルームにしたかった」というNさんの要望をかなえたジャグジーは、バルコニーに面した窓を開放すれば、外の緑に囲まれて入浴ができる。そして、N邸の屋根裏スペースには秘密の間が。天井へと伸びる隠し階段を上ると、その入り口を中心に、ぐるりと360度広がるNゲージ模型のジオラマの世界。頻繁に訪問する幼稚園児のお孫さんもまだ知らないジオラマルームで、この邸宅が竣工した2007年当時から、Nさんが時間を見つけてはつくり続けている。「できあがるのは数年後でしょうか。毎日少しずつ作業を続けています」とNさん。完成し、成長したお孫さんがこの壮大なジオラマの世界に驚く姿を見るのが楽しみだという。
リラックスをテーマにした和モダンの1階に対して、2階のデザインは機能重視なシンプルモダン。だが、階段の踊り場に飾った、どこか温もりを感じさせるキリムのタペストリーが、テイストの異なる2つの階を違和感なくつなげている。
夫妻でゆったりと過ごし、仕事などで緊張した心をほぐすのびやかなLDKと、趣味に没頭することで、リフレッシュできるアトリエ。オフの時間をより豊かに、より有意義にする、和モダンの家が完成した。
取材・文 間庭 典子
K邸
設計 | 林 哲(大輪建設) | 施工 | 大輪建設 |
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所在地 | 滋賀県大津市 | 家族構成 | 夫婦 |
延床面積 | 229.24㎡ | 構造・構法 | SE構法 |