都心にいながらリゾート感覚で過ごす住宅









都心にいながら
リゾート感覚で過ごす住宅
「Wow!」という驚きがある
自宅にいながら別荘感覚の家
「Wow!と思わず言ってしまうような家が裏コンセプト」と語るご主人。「わざわざ時間をかけて別荘に行かなくても、自宅にいながらリゾート気分を味わえる家にしたいと考えました」と言う。M邸は東京・新宿区のとある駅から徒歩5分という絶好のロケーション。だがその分、自然が少ないため、都会の中心地でも風や緑を感じられる住宅を目指した。
家を建てるにあたり、ご夫妻はまず「コンセプトノート」をまとめたという。お二人が家に求めるのは「Happiness&Oneness(ワクワク感と自然との一体感)」。これに沿ってキーワードやカラーイメージを記し、奥さまが具体的な写真をコラージュして1冊にまとめた。設計・施工を依頼されたテラジマアーキテクツは、このノートを受け取り、これを基に採用プランを決定する社内コンペを実施。深澤彰司さんの案に着地した。
外へ、空へと広がっていく
シームレスな大空間
ニューヨーク生活が長かった一家の要望の一つが、海外のレストランのテラス席のような空間。リビングからワンフロアで続くバルコニーには、ニューヨークのダウンタウンにあるヒップなルーフトップバーのような第二のダイニングをつくった。バルコニーのすぐそばにはホームバーもしつらえ、外で語らいながらお酒を楽しむことも。「日本の伝統的な家屋にも、縁側など外と内の境界線上で過ごせる場所があります。外で過ごす時間を心地いいと感じるDNAが、日本人には備わっているのではないでしょうか」とご主人。バルコニーには、バジル、イチゴなどが茂る植え込みもある。「食べられる、Eatableな植物ばかりです。ブルーベリーをそのままヨーグルトに入れたり、ハーブを料理に使ったりしています」と奥さまも楽しんでいる。ジントニックのライム代わりに、飲みながらその場でさっとゆずを摘むことも。植物に囲まれ、別荘で過ごしているような空間だ。
LDKにつながる階段の踊り場は、あえて壁で仕切らず、シームレスなガラスを採用した。そのため、階段や窓からも光が入る。広々とした印象には、すっきりとしたキッチンも一役買っている。キッチンスツールはカッテランイタリアのアンナというモデル。「デザイン性だけでなく、実際に座り比べて選びました」。ご夫妻が目指したのはリゾートのような家。居心地のよさを重視した。
シンプルモダンな空間に映える
みずみずしいグリーンとアート
空間をのびやかに彩るのはグリーンとアート。部屋に緑や花を飾るのは奥さまの楽しみだそう。キッチンまわりのハーブなど、目にもみずみずしい緑がLDKに爽やかな生命力をプラスする。自然光が入る1階の浴室は窓の外に竹を植え、竹林の露天風呂のようなプランにした。
家具はカッシーナで選び、シンプルにコーディネイト。上質でスタンダードなデザインだからこそ、アートが映える。ホームバーに飾った虎の絵は兄弟でユニットを組んでいるフジヨシブラザーズの作品。「二人のライブペインティングを見てその場で購入を決めました。キッチンに飾った鹿の絵も、彼らにこの空間に合わせて描いてもらったんです」と奥さま。ホームバーの猛々しいビビッドな虎と、キッチンに掛けられたやさしい表情のパステル調の鹿。まったく違うテイストの作品だが、空間の持ち味を引き出しつつ、同じ作家ならではの統一感で、LDKにまとまりを生み出している。
1階には書斎とトレーニングルームを兼ねた、ご主人の秘密基地のようなスペースを設けた。3階のホールには、現在イギリスに留学中の息子さんを含め、家族全員の蔵書が並ぶライブラリーコーナーを作成。トイレやガレージにも趣味のコレクションが並ぶコーナーがあり、家全体に遊び心が満ちている。
訪れたゲストだけでなく、毎日暮らす住み手自身も「Wow!」とつい言ってしまいそうな、日々うれしさが感じられる家が誕生した。
取材・文 間庭 典子
M邸
設計 | 深澤彰司(テラジマアーキテクツ) | 施工 | テラジマアーキテクツ |
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所在地 | 東京都新宿区 | 家族構成 | 夫婦+子供1人(留学中)+愛犬 |
敷地面積 | 166.35㎡ | 延床面積 | 281.26㎡ |
構造・構法 | SE構法 | 規模(階数) | 3階建て |