都市でリゾートを体感できる内外一体の住まい


アウトドア空間、ダイニング、リビングと、フロア全体を見渡せるキッチン。朝から昼、夜まで、暮らしのおいしい時間を機能的にサポートする“家のコア”でもある。

1.オーダーキッチンメーカー「リネアタラーラ」による造作キッチン。木製カウンターは簡単な食事やお茶の場に。/2.キッチンから続いているダイニングスペース。日常の家族だけの食事の場であるのはもちろんのこと、隣接するアウトドアリビングと共に来客のときには、おもてなしの場にもなる。

アウトドアリビングには低めのソファを置き、リラックスした雰囲気。

都市のリゾートをテーマに天井にレッドシダー、木製サッシにウォルナット、カウンターと照明は神代タモで異なる樹種をバランスよく配した。

オープンキッチンを美しくキープするために、機能を収めたバックセット、その裏手にはパントリーを配置した。すべて回遊動線で、作業効率にも配慮された。

ダイニングから上がったスキップフロア部分には書斎スペースがある。数段上がっただけでアングルが変わり、テラスの見え方も変化する。

板張りの天井、可動式オーニング、ルーフバルコニーと、アウトドア空間の居心地のよさは多彩。夜は外をライトアップして昼間とは違った雰囲気になる演出が。

ダイニングの天井高は3m。窓を開け放てば室内外が1つの空間に。木、タイル、石と、自然の素材、さらに適所への家具の配置でリゾート感をより高めている。

地下のスタジオは、ゴルフシミュレーター、ドラムやピアノ、カラオケ、バーカウンターと、多彩なエンターテインメント空間が広がっている。

ホテルのようなベッドルーム。造作の格子壁の奥は部屋より大きなウォークインクローゼットが。

緩やかに区切られたリビングルーム。壁は2色の左官材を重ね、シンプルながらも個性的なテクスチャーに仕上げた。

玄関を入ると目の前には中庭が。

中庭に面している和室はゲストルームとしても活用。部屋のなかでも季節が感じられる。

モールテックスで仕上げたトイレ。自由な造形が可能な素材の特性を生かし、美しい曲線を描く壁面。
“家時間”の重要性を再認識。おいしく、楽しく、心地よい住まいに
生活にさまざまな制限を強いられたパンデミック時に、改めて住まいの重要性に気付かされたというKさん。食事や家族の時間はもちろん、居心地、アウトドアや趣味の空間など、家のなかに多彩な機能を備えた住まいをつくりたいと一戸建ての新築を決意。希望のエリアの土地を手に入れ、依頼する工務店を探した。「空間やインテリアのデザイン性はもちろんですが、家族が生活をする場になるので、安全で機能的であること、快適に長く住める性能も大切だと思います。家を建てることを決めてからは建築家の方やハウスメーカーも検討しましたが、いちばんバランスがよいと感じたのがテラジマアーキテクツでした。都市でありながら、庭のある家も多く手掛けられていましたし、木造なのに柱がほとんどなく、かつ丈夫というのも魅力的。設計の方も営業の方もスタッフの皆さんが丁寧で優しく、何でも相談に乗ってくださるのも安心しました」と依頼までの経緯を振り返る。
Kさんが住まいで最も重視したのは、アウトドア空間と室内のつながり。とはいえ、都心の住宅地で隣家との距離は近く、プライバシーの確保は課題となった。そこでテラジマアーキテクツが提案したのは、中庭を中心にしたロの字型のプラン。最上階はLDKがダイナミックにレイアウトされ、残りの約3分の1が半屋外のルーフバルコニーというプライバシーが保たれつつも開放感あふれる住空間。地下以外はどの部屋も緑が身近で、リゾート感あふれる暮らしが楽しめるように設計されている。
「1階の中庭、2階のバルコニーを室内空間とつなぎ、非日常感を楽しめるように計画しました。特に工夫したのは2階の居心地のグラデーション。室内ダイニングから外に向かって少しずつ開放感が強くなるよう、屋根付きのアウトドアリビング、可動式オーニングのアウトドアダイニング、ルーフバルコニーと、天井で居心地をコントロールしました。機能と居心地に変化を付けることで、シチュエーションに応じた食事を楽しめる空間になったと思います」と設計を担当したテラジマアーキテクツの深澤彰司さんはこの住まいの魅力を解説する。
キッチンはフロア中央に配置し、室内のダイニングやリビング、屋外のどの場所からも軽快にアクセスできる。また、壁のようにすっきり収めたバックセットとその裏側にとったパントリーにより、オープンキッチンの美しさも常にキープ。美観も機能も兼ね備えた空間が実現した。「毎日、キッチンがこの家でいちばんの特等席だと実感します。いつも緑と空が見えて前よりも家事をすることが楽しくなりました。窓が大きくて内と外が分断されないのでバルコニーもお部屋のような感覚です。お客さまがいらしたときには、キッチンカウンターやダイニングで軽く食事をしてからバルコニーに出たり、時間がたつといつの間にかみんな好きなところで自由に過ごしています。思っていた以上に居場所がたくさんあって、どこにいても気持ちがいいんです。お招きしたお客さまに“居心地がよすぎて帰りたくない”と言われるとやっぱりとてもうれしいですし、この家をつくってよかったと、心から思います」と奥さま。
SE構法だからこそ実現できたLDKの大空間とアウトドア空間のシームレスなつながり。さらに住み手のセンスがあふれるラグジュアリーな家具や小物が美しくスタイリングされ、Kさんはもちろん、訪れるすべての人の心をも癒やしてくれる邸宅が完成した。
取材・文/荒井直子
K邸
設計施工 | テラジマアーキテクツ | 所在地 | 東京都豊島区 |
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家族構成 | 夫婦+子供2人 | 敷地面積 | 257.09m² |
延床面積 | 381.90m² | 構法 | 木造SE構法 |