絶妙に配した吹き抜けがもたらす伸び伸び空間


窓際にはデスクを設け、勉強に集中できるスペースに。キッチンで調理しながらも宿題をしたり、ロフトで遊ぶ子供たちを見守れるレイアウトを採用。

1.82m×6.85mの部分的な吹き抜けながら大開口からの光が差し込み、日中は常に明るい。白壁と木の柔らかな空間は、黒をアクセントに引き締めた。

ご夫婦はお子さまと一緒の部屋で寝ているので、現在、寝室は予備スペースあるいは第二のリビングとして活用している。チャコールグレーの天井とウォールナットの床、間接照明で落ち着きのある雰囲気。夜の時間をゆったりと過ごす空間には、温もりを感じるラグを合わせて。ラグ¥250,000(on the shore)

窓際に造作したデスクは将来、子供たちが並んで机に向かえるよう長めに設計。

1.秘密基地のようなAさんの書斎。壁面はすべて収納棚にして、蔵書や趣味の模型を飾っている。2.5畳の閉じた空間だからこそ壁紙で変化をつけ、自由な空間を実現した。/2.リビングの延長となる仏間のある和室。LDKに家族全員が集っても、それぞれの時間を過ごせるよう工夫。ゲストルームとしても使え、重宝している。

北側の車用のシャッターとは別に、自転車が出入りでき、メンテナンス作業中も採光・通気できるよう、東側にもシャッターを設置したホビースペース。収納棚を設け、キャディバッグやアウトドア用品などの収納や子供たちのプレーグラウンドとしても活用している。

吹き抜けとリンクする、LDKと一体化したロフト。子供たちのプレースペースとしても程よい広さを確保しており、奥は小屋裏収納になっている。手すりは、見通しが良く、シャープな印象の黒のスチール材を使用。

3.光が柔らかな間接照明を各所に配した。風合いのある日本エムテクスのエッグウォールに映える。/4.各フロアのトイレの壁の一面をインパクトのあるパターンのクロスにすることで変化をつけた。
一人で向き合う時間も家族との団らんも堪能できる住まい
集う場所と籠る場所、
メリハリを生かした間取りに
Aさんは車2台を駐車できる広々としたビルトインガレージのために、構造躯体が強固なSE構法を選択。5.5mの間口の無柱空間の上に2階やロフト階がある建物にもかかわらず、耐震性能も劣ることなく、耐震等級3に認定された。駐車場は1階面積の半分近くを占め、収納するだけでなく、自転車やキャンプ用品のメンテナンスにも熱中できる休日に過ごすホビースペースとして設計。
2階は家族が集う場に。「ロフトとつながるLDKを提案しました。敷地の南側に奥さまのご実家があるので、日照を得るためにも2階のリビングとロフトスペースの組み合わせたプランが最適だったのです」と設計を担当したアーキレーベル 鈴木組の鈴木留美子さん。1.82m×6.85mの吹き抜けの効果は絶大で、大開口から光が降り注ぐ。吹き抜けにより縦への広がりが感じられ、空間を広く見せる視覚効果も得られた。「ロフト部分の天井は木のフローリング仕上げにし、白壁の天井とのコントラストをつけ高低差を強調しました」と鈴木さんは語る。
家族と共に過ごすLDKやガレージはゆったりと、寝室や書斎、浴室などのプライベートな機能は1階にまとめ、空間にメリハリをつけている。
家事と子育てを両立しやすい
ママを応援する間取りと動線
キッチンは3.7畳とミニマムだが、仕切りのないオープンな設計にし、ダイニングと垂直に配置。吹き抜けと接しているので心地いい開放感があり、調理をしていてもロフトやダイニングにいる子供たちが視界に入る。「まだお子さん2人は幼少なので、LDKと同じフロアの2階に子供部屋やファミリーで共有するクローゼットを配置し、子育てしやすい間取りをおすすめしました」と鈴木さん。またクローゼットは子供部屋とリビングの両方向から出入りできる動線にした。
洗濯機は脱衣所には置かず、バルコニーに面した2階をランドリーにすることも提案。「浴室と洗濯機が別のフロアにあることに最初は違和感があったのですが、生活してみると洗濯したものをそのまま干し、乾燥後はランドリーからすぐクローゼットに収納できるので、今までよりスムースに動けます」と奥さま。濡れて重くなった洗濯物を運ぶ必要はない。
洗練とタフさを感じる
黒を利かせたインテリア
端正なインテリアよりも、少し武骨さのあるインダストリアルなデザインが好みのAさん。「大阪の家具メーカーTRUCKの世界観が好きで、ソファや家具を置く予定だったので、その感じに合う部屋が理想でした」と語る。傷も気にせず、むしろその経年変化を楽しめるほうがいいという要望も。リビングの床材はラスティックな風合いのアッシュ材を選び、キッチンはウッドワンのフレーム+木のタイプを提案。ロフトの手すりや建具など、ポイントに黒のフレームを利かせたインテリアにまとめた。温かみのある無垢材に硬質な黒をアクセントにすることで全体がぴりりと引き締まった。
スタイルにブレのない住み手に対し、内装デザインを担当した宮越真央さんは細部に関しては大胆なデザインを提案したそう。書斎やトイレなど狭いスペースには一面だけ色鮮やかなクロスを組み合わせ、遊び心を発揮。全体は落ち着きとぬくもりを、ディテールで個性をプラスすることで他にはない空間となった。
取材・文/間庭典子
A邸
設計施工 | アーキレーベル 鈴木組 | 所在地 | 新潟県新潟市 |
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家族構成 | 夫婦+子供2人 | 敷地面積 | 260.38㎡ |
延床面積 | 201.53㎡ | 構法 | 木造SE構法 |