艶めくシャンパンゴールドがアクセントの軽井沢の山荘


22帖の吹き抜け、天井高5.1mのダイナミックなLDK。一部を石張りにするなど異なる素材を効果的に取り入れて端正な空間に変化をつけた。

LDKの3面をすべて開口として外に開いた。冬の雪景色も美しく、四季を通じて室内で過ごす豊かさを実感できる眺め。電子ピアノを置くスペースも計算。

玄関から入って正面は縦に長いスリットウォールのような窓を配した。木々も見えて爽やかな雰囲気。

テーブルコーディネートは奥さまが担当。白とベージュを基調とした空間に、艶のあるシャンパンゴールドをアクセントにしている。

キッチンは機能性が高くクリーンな印象のTOTOのザ・クラッソを採用。新緑や食材の鮮やかな色が映え、まさに暮らしそのものが住空間を美しく彩っている。

吹き抜けに面し、浮遊しているかのように軽やかに存在するUさんのオフィス。家族の気配を感じながら、仕事にも集中できる程よい距離感だ。

玄関から寝室に続く通路からは、中庭の豊かな緑が視界に入る。リビングと同じ仕上げの石積みの壁面が、U邸全体に統一感をもたらしている。

庭側から見たU邸の全景。明かりが灯ると家全体が行灯のように柔らかな光に包まれる。今後は庭や外構を整え、小路やベンチもつくり、屋外で過ごす時間を充実させる予定。

寝室や浴室がある棟と大空間のLDKをつなぐ広いウッドデッキ。夕暮れ時には愛犬と共にここで涼んだり、BBQパーティを開くことも。

プライバシーが守られた広い庭に隣接する寝室。大きな2面開口にすることで外の風景を最大限に取り込んだ。壁の一面は木のルーバーで、ぬくもりを感じられるデザインに。

1.浴室はリゾート感覚でバスタイムを楽しめそうなライティングに。U邸の各所に配した石壁をここでも採用。システムバスは機能性を重視しTOTOのシンラから選んだ。/2.パウダールームはカウンターを宙に浮かせて軽やかなイメージに。ホテルライクに仕上げ、自然光も小さな開口から入る。

LDKのあるエリアの2階には子供室を。この部屋も2方向に開口を設け、環境の豊かさを生かした。扉を開くとすぐにLDKへとつながり、お互いの気配を感じ合える間取り。

公道から見たU邸。ガレージを正面に設けた。軽井沢でも特に静かで落ち着いた立地。
ワンフロアに広がるラグジュアリーな空間
凛とした軽井沢の森の風景と
空気を取り込む大空間
軽井沢でも落ち着きのある、緑豊かなエリアに立つU邸。この澄んだ空気と豊かな緑に囲まれた環境を生かすべく、外へと開く大開口を設けたプランを採用。壁や梁などで視界を遮ることのない規格外のLDKは圧巻。大きな吹き抜けの3面には効果的に窓を配し、新緑の季節にはLDKのどこにいても、木々や空の色彩が視界に入るように設計した。外と内とをつなぐテラスや室内にいても森の中で佇んでいるような気持ちよさを満喫できる。また冬は周囲が一面、銀世界となって格別の美しさを醸し出す。
実はUさんご夫妻には、柱や梁に邪魔されず、森の景色を取り込む大空間という、新居に対する明解な理想のイメージがあった。しかし、それを叶えるデザイン力や設計力のあるパートナーには出会えなかった。「どのメーカー、工務店に聞いても『無理ですね』と言われて…。ほぼ諦めていました」と奥さま。そこで希望を失いつつもMstyle houseに相談したところ、「できますよ」と即答された奥さまは、思わず涙したという。Mstyle house代表で設計士の酒井良子さんはこの思いをくみ取り、理想のイメージを忠実に再現するべく、妥協のない空間づくりに取り組んだ。
長野を拠点にし、これまで数々の軽井沢の邸宅を手掛けてきたMstyle houseだが、吹き抜けの空間が22帖というプランはさすがに難易度が高く、構造計算には時間を要したという。「中間に梁を入れれば構造が安定するのですが、大空間のノイズにもなってしまう。NCNの構造設計士と何度も検証し、数カ所を合わせ梁にすることで、30帖超あるLDKの22帖を占める大きな吹き抜けを実現できました」と酒井良子さん。
豊かな敷地を生かしつつ
心地よい居場所を配した間取り
実際のプランは、リビングダイニングの吹き抜けに面した2階がご主人のオフィスになっている。開放的な空間ながら作業に集中できるリモートワークに最適な場所。LDKにいる家族の気配はもとより、雲の流れや日の傾きによって時間の経過も感じながら仕事ができる。
さらにLDKと寝室・浴室があるプライベートな空間を分けた凹型の間取りも特徴的。2つのエリアの間には中庭があり、全体に光とヌケをもたらしている。ウッドデッキに面した主寝室も2面を大開口とし、朝日とともに目覚められる。ウッドデッキを介してつながるLDKと寝室の距離感も絶妙だ。このような室内のどこにいても外へとつながる広がりを感じられるプランは、周辺の環境や敷地の豊かさがあるからこそ可能となる。
日常を格上げし、非日常を演出する
石の壁とシャンパンゴールド
また、この住空間のインテリアコーディネートは奥さまによるもの。「モノトーンでは退屈なのでシャンパンゴールドを添えて、華やかに仕上げました」と奥さま。テレビ側の壁や玄関ポーチからホールへとつながる動線には、ベージュの石を張って内外に統一感を出している。オーブン付きの薪ストーブはストウブ料理に活用するなど、さまざまな楽しみのある邸宅となった。「もちろん新緑の季節もよいのですが、星空が美しくて銀世界の冬も幻想的なんです」とUさん。
週末には近所の友人や都内に住む家族も訪れ、料理上手の奥さまが腕を振るい、心が華やぐテーブルセッティングで一緒に食卓を囲む──。そんないつでも心豊かに過ごせる住空間が実現した。
取材・文/間庭典子
U邸
設計施工 | Mstyle house | 所在地 | 長野県北佐久郡 |
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家族構成 | 夫婦+子供1人+犬 | 敷地面積 | 757.53㎡ |
延床面積 | 162.31㎡ | 構法 | 木造SE構法 |