シンボルツリーを囲むコの字形の家


玄関を開けると広がる開放感のあるLDK。リビングの開口はヌケのある南側を前面に。夕方の光が強く、近隣の住宅との距離が近い西側は西日や視線を程よく遮る配置と大きさにした。

キッチンからも見渡せる予備室は、育ち盛りのお子さんのプレイルームとして活用。群馬サファリパークのミニチュアは美術系の学校を卒業した奥さまの手作り。

シンプルな空間のアクセントになるのは、勾配天井の絶妙な高低差。家の天井の半分以上で採用したレッドシダー張り。床はナラ材に。

シンボルツリーのシュロの木。土地条件を選ばず、強健で手入れもしやすい。

広さは約50㎡。晴れた日は南国気分でシュロの木陰でゆったりと過ごす。家族でBBQを楽しむなど、アウトドアがより身近な生活へとシフトした。

食器だけでなく、食材もストックできるよう収納スペースを多くとり、キャビネットを造作。白のタイルを部分的に使ってクリーンな印象にまとめている。キッチンはTOTOのミッテを選んだ。キッチンから望む勾配天井のレッドシダー張りが見事。

1.白のタイルはランドリーを兼ねた脱衣所でも採用。奥にはアイロンをかけられるカウンターデスクも設け、家事スペースとした。/2.将来、子供部屋として活用する個室が3部屋ある2階の洗面所。手洗い、うがいを習慣にできるプランに。バルコニーから自然光が入り、共有となる空間は常に明るい。

玄関は広く、ストレスのない動線に。S.I.C.側からもリビングへ行き来でき、土間収納として活用。
伸びやかなラインを描くLDKの勾配天井
ダイナミックな高低差のある天井が
広がりを演出する日当り良好なLDK
幹線道路から一本奥に入った場所に立つY邸。南側は畑で視界を遮るものがなく、背後には伸び伸びとした風景が広がり、まるでリゾート地のコテージのような雰囲気。家の外構部分にはシュロの木があり、約50㎡のゆったりとしたウッドデッキをコの字形で囲んでいる。そのため外部からの視線は遮断されつつも、常に明るく快適だ。
玄関を入って正面には陽光が差し込むリビングがあり、南側の大開口と西側の採光でダイニングやキッチンにも光が入る。また、勾配天井も迫力がある。「リビングの勾配は、法規制などによるものではなく、南側上部の窓からDK側まで光を落としたかったので初めから考えていました」と設計を担当した関工務所の北爪俊之さんは語る。
利便性、快適性を第一に考え
今は1階のみでも生活可能な動線に
勾配天井はレッドシダー張りにし、あえて色をまばらにして風合いを出した。「当社の大工技術を最大限に発揮し、天井がつながっているよう、ラインをそろえて仕上げました」と北爪さん。関工務所は創業120年以上、今まで携わった住宅は1300棟以上の歴史を誇る。現在もその高い技術を継承し、棟梁6名、大工8名の社員と専属大工4組を抱えるプロ集団。その経験をもとに、利便性、快適性を第一としたプランを提案している。ゆえに生活動線も利便性を最優先した。幼稚園生の男の子2人が成長するまでは、1階だけでも暮らせるレイアウトにし、1階の東側に主寝室を。ゲストルームやホームシアターとしても活用予定の1階の予備室は、現在は子供たちが元気に遊べるプレイルームになっている。この部屋はウッドデッキにも面しているため陽光が入り、また洗面所との境の壁に高窓があるので奥の洗面所まで光が届く。キッチンにも隣接しており、調理をしながら子供たちが遊ぶ様子も見えて安心だ。2階は将来の子供室として計画された。各々のための個室を作り、階段近くには手洗い、うがいが習慣になるようにと洗面所を配置している。
在宅時間をより豊かにした、
家族が集う場と個の空間の共存
また、Yさんの要望によるコンパクトな書斎は、北側の開口から光が入り、快適かつ集中して作業ができる。LDKもウッドデッキや予備室とリンクすることで、家族がそれぞれ自由に過ごせる。
「『ここをこの角度にしたら面白い』とアイデアがどんどん出てきて、毎回の打ち合わせが楽しかったです」と家づくりを振り返るYさん。要望を次々に具体化する工務店のデザイン力、技術力が頼もしかったという。
取材・文/間庭典子
Y邸
設計施工 | 関工務所 | 所在地 | 埼玉県本庄市 |
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家族構成 | 夫婦+子供2人 | 敷地面積 | 383.90㎡ |
延床面積 | 157.32㎡ | 構法 | 木造SE構法 |