美しさと快適さを実現した子育て空間


キッチンとダイニングをつなげて縦長のラインを強調。隣家に接する東側は小窓を並べて採光し、夜は間接照明でバーのようにシックで洗練された空間。

吹き抜けは5.36m。3階へと続くスキップフロアは、将来書斎にする予定。階段下のスペースは収納庫も想定し、大人と子供の空間を区切るアイデア。

キッチンとダイニング、リビングの境は一段ずつ下げてゾーニング。空間に高低差を付けることで、各々の用途や雰囲気にフィットさせることに成功。

1.家族で囲む和やかな食卓が、ゲストを招くラグジュアリーなラウンジに一瞬にして切り替えられるのがW邸の特徴だ。ダイニングのペンダントはシンプルシックなヤマギワ バウムを採用。/2.素材感が魅力的なキッチンカウンターから続くダイニングテーブル。

キッチンは15㎝低く設定し、ダイニングに座っていても調理する人と視線が合うよう調整した。東側の壁面は低めのキャビネットとし、子供たちが就学後、デスクとしても使えるコーナーを造作。奥にパントリーも設けて十分な収納も確保しており、常にすっきりと端正なLDKを維持することができる。

1階には車2台が駐車できるビルトインガレージと、広々としたテラスのある予備室兼ゲストルームを配した。シンクもあり、この空間だけで快適に暮らせる間取りに。BBQなどをここで楽しむことも多いそう。リモートワークの多い今は、ご主人の書斎やホームシアターとしても有効活用している。

リビングの一部を吹き抜けに。床の段差だけでなく、天井の高低差もまた、大空間に変化をもたらしてくれる効果的なテクニック。スキップフロアは3階に続く主階段とつながる動線になっている。存在感のある大画面のテレビは壁面に収め、目立ちすぎないように配慮された。

3.シンプルな玄関周りのデザイン。北側の壁一面をキャビネットにし、S.I.C.も対面に設けるなど十分な収納を確保した。/4.家族それぞれの寝室に続く3階のホールにはアンディ・ウォーホルの連作のリトグラフを飾ってポップに。少し下りたところにある扉はリビング階段の踊り場にある遊び場、スキップフロアへとつながる裏動線。

リビングの吹き抜けに面した壁を大きな開口に。奥の扉からは吹き抜けのキャットウォークに出られて、LDKやスキップフロアともつながる。

浴室に続くランドリーも洗濯機をキャビネットの中に格納し、すっきりと。使用していないときは外から見えないようにした。

ビルトインガレージには2台駐車できるスペースがあるが、余裕をもってセットバックした。住宅密集地とは思えないほど静かな環境。

公道側には窓がほとんどないW邸の外観。テラスや大開口など道に接していない北側から採光を確保した。
細長いLDKはそれぞれに段差を付けて、ゆるやかにゾーニング
安らぎと華やぎが同時にかなう
スキップフロアで区切ったLDK
W邸は都市型の3階建て住宅であり、立体的な空間構成の中に家族それぞれの居場所をつくった住まい。「リビング内に目立たない子供のためのスペースと、将来のスタディコーナーを確保して、それぞれの世界観を尊重しつつ過ごせることが狙いでした」と設計を担当したIDA HOMESの髙木 法さんは解説する。育ち盛りのお子さんと4人で暮らすWさん一家。成長やライフスタイルの変化に合わせた自在な空間づくりを心掛けている。例えばリビング空間の中にありながら、凛とした雰囲気を妨げない、階段踊り場を利用したスキップフロア。ゆくゆくはデスクを置き、子供たちが勉強に集中できるスタディコーナーとして用意したスペースは、リビングよりもかなり高い位置にある。そのため視線が交錯せず、互いの気配を感じながらも、それぞれの時間を過ごせる仕掛けだ。その下には秘密基地のようなこもれる遊び場がある。LDKで過ごしながら、幼い子を見守れる。子供たちの成長後は、扉を付けてストレージとして活用する予定だそう。
LDKはIDA HOMESならではの洗練されたシンプルモダンなデザイン。ダイニングテーブルと一体型のキッチンはデザイン性の高い壁面収納やオーダー家具を手掛けるティーズコレクションに依頼した。水晶を練りこんだ光を反射してきらめく人工大理石でつくられたキッチンで、空間のアクセントとなった。東側の壁面には収納やデスクにもなる腰高の棚をつなげ、縦長のラインを強調。南側の開口へと抜けるような、すっきりと洗練されたLDKが広がる。「スキップフロアが奥まった位置にあるため、キッチン側からは目立たず、ラグジュアリーな雰囲気を保てます」と髙木さん。どんな場合でも子供たちを育む空間。時にはゲストを招き、非日常にシーンを切り替える大人のための空間。まったくムードが異なる空間を妥協なくひとつの住まいに共存させることに成功した。
層を増やし、アングルに変化をつける
リビングの吹き抜けやスキップフロア
3階は寝室やW.I.C.などの生活するうえで必要な機能を満たしている。将来の子供室は、窓やキャットウォークからリビングの吹き抜けを見下ろせる開放的なプランにした。それぞれの部屋に収納を設けて最小限の家具ですっきり暮らせるように。階段の踊り場にはスキップフロアにあるプレーコーナーとつながる扉をつけた。スキップフロアや吹き抜けを活用して、さまざまなアングルで空間を把握できるようにすることで、平面的ではない、立体的な空間づくりを楽しめたという。
竣工を家づくりのゴールとしない
将来を見据えて共に歩むパートナー
このような視線を遮る壁のない、のびのびとした大空間を可能にする木造SE構法。家づくりを検討するうちにWさんはSE構法を知り、IDA HOMESにたどりついた。サイトや見学会で施工例を知り、生活感を感じさせない端正な空間づくりを得意とする点に引かれた。結果、子育て期間を家族全員で楽しむ空間に満足されている。そのうえIDA HOMESの特長は、髙木さんも語るように「ライフスタイルや家族構成、好みの変化によって、間取りやインテリアも調整やリフォームが必要となってきます。そんな未来にも寄り添いたい」という点といえる。メンテナンス担当だけでなく設計担当や営業担当など、関わったスタッフが一丸となって家を維持し、住みやすくバージョンアップしていく、よきパートナーとなる。
取材・文/間庭典子
W邸
設計施工 | IDA一級建築士事務所 | 所在地 | 兵庫県神戸市 |
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家族構成 | 夫婦+子供2人 | 敷地面積 | 179.07㎡ |
延床面積 | 219.34㎡ | 構法 | 木造SE構法 |