プライベートガーデンと一体の 回廊に囲まれたLDK


室内と芝生をつなぐテラスは、アウトドアリビングとして活用。駅から近く公道に面しているが、間に広めの庭を挟むことで程よい距離感を保っている。

エントランスは光を通すフロストガラスを用い明るい空間に。庭が眺められるよう1面はガラスにした。土間のタイルはテラスと調和するグレーを採用。

少ない柱で構築できるSE構法により、宙に浮いたような回廊が実現。白壁と床の無垢材や木の家具、シャープな黒のスチールが調和している。

グラフィカルなラインを描くリビング階段は、安全面も考慮して中段あたりにレンガタイルの壁を設けた。階段下はオフィススペースとして活用。

天井高5.97mの吹き抜けのある大空間には、空とリンクするような開口があり、青空と芝生が目に鮮やか。LDKをコの字形に囲む2階の回廊は、そのままバルコニーにつながる。LDKのすりガラスの引き戸の先には広々とした玄関ホールが。

1階は家族全員が集う伸びやかなLDK。床には木目を生かしたオーク材を用い、階段やテレビ周りの壁など、部分的にレンガタイルを取り入れて重厚さを出した。インテリアの差し色にしたブルーと芝生のグリーンが好相性。リビングの奥はゲストルームを兼ねた和室に。

1.キッチン収納はM-STYLE HOUSEが造作した。使う頻度の高い器や調味料はダイニング側からも取り出せる。/2.朝はすがすがしい空気と光に包まれる、大開口に面した自然光あふれるダイニング。大空間のスケール感に合わせてダイニングテーブルも造作。一枚板に見えるよう木材を巧みに組み合わせている。

3.ベビーカーもゆとりを持って通れる広々としたエントランス。土間は隠せる収納を設けてすっきりと。/4.帰宅時にすぐ手洗いができるよう、玄関から直結で洗面台とトイレを配置。ゲストも多く使うスペースなので、機能的でシンプルな洗面ボウルにモザイクタイルやミラーで変化をつけ、楽しげなイメージに。

将来的には2つの部屋に仕切ることも視野に入れ、入り口や窓をそれぞれにとった2階の子供室。奥のサンルームは元のベランダを拡張し、洗濯物も干せるようにリフォームしたもの。
白い壁と無垢材の大空間を黒のスチールが引き締める
自由に駆け回る子供を見守るゆとりとくつろぎの大空間
長野市にあるS邸は、吹き抜けを中心にすべての部屋がつながる家。育ち盛りの元気な息子3人を奥さまが育て、単身赴任のご主人は週末だけ共に過ごす。「転勤はあらかじめ知らされていたので、覚悟はできていました。駅から近い好立地に、ワンオペの育児や家事をサポートしてくれる家を建てようと決めました」と奥さま。
そこで実家の医院を手掛けた松代建設工業の住宅部門、M-STYLE HOUSEに設計を依頼した。「とにかく家事がストレスにならない動線、そして自由に動き回る子供たちを見守れる見通しの良さ、週末の家族全員の時間をゆったりと過ごせるゆとりが条件でした」と奥さま。その要望をすべてかなえてくれるのが、庭に面した大空間のLDKを介してつながるロフトのような家だった。
「庭もリビングの一部のように機能し、LDKの大開口からいつも外部が感じられます。また2階は宙に浮かぶ回廊のようにし、移動しながらもLDKや庭の気配を感じられる設計にしました」とM-STYLE HOUSEで設計を担当した酒井良子さんは語る。「子供が駆け回る自由な空間です。平日は1人で子育てすることになるため、家事をしながら、子供が遊んでいる様子を把握できるこの空間はありがたいですね」と奥さまは微笑む。
生活の視点を忘れない女性目線の工務店
ストレスにならない動線や十分な収納も大切なテーマ。「収納量だけでなく、機能性も重視しました。最初にどこに何を置くのか決めておけば、片付けが習慣になると思ったんです。子供も同様。このおもちゃはどのスペースにしまうかを覚えさせれば、自主的に戻すようになるので」と奥さま。必要に応じて配された収納は、子供たちの生活習慣を養う役割も持っている。
M-STYLE HOUSEは女性目線の生活に寄り添う家造りを徹底している工務店。「最初のヒアリングのときに『もしかして片付けるのが苦手ですか?』とついSさんに聞いてしまいました(笑)。生活の中でストレスになることや望んでいるライフスタイルをくみ取り、それを改善&実現できるようなプランを提案しています」と酒井さん。身近な先輩のような感覚で、時には踏み込んだ質問も。「具体的な悩みやどのように暮らしたいかなどを相談に乗ってもらい、各収納のサイズや扉を付けるか、そのまま取り出しやすい棚にするのかなど詰めていきました」と奥さま。そうして生活にフィットする収納が完成した。
ライフスタイルや成長に合わせて自在に変化する家
南北に長い敷地を有効活用し、交通量が激しい道路から視界を隔てるべくプライベートガーデンに。庭からそのままLDKにつながり、室内からも緑を望む伸びやかな空間となった。「とにかく大きな空間が欲しい、けれど耐震性も重要。それをかなえてくれたのがSE構法でした」と奥さまは言う。SE構法では構造躯体と間仕切りなどの壁を別々に考えて設計するため、リフォームもしやすい。「実は住むうちにもっと広い子供室が欲しくなり、バルコニーだったスペースを内部の部屋として拡張しました。雨の日は室内に洗濯物を干せて便利です」と奥さま。お子さんの成長に合わせて、将来は個室にする予定だそう。Sさんが赴任先から戻れば、また生活パターンも変わるだろう。家族のあり方と共に変化する家は、頼れる人生のサポーターだ。
取材・文/間庭典子
S邸
設計施工 | M-STYLE HOUSE | 所在地 | 長野県長野市 |
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家族構成 | 夫婦+子供3人 | 延床面積 | 145.99㎡ |
構法 | 木造SE構法 |