二世帯住宅でお互いが安心して過ごすための、間取りやデザインの8つのアイデア

二世帯住宅でお互いが安心して過ごすための、間取りやデザインの8つのアイデアのインデックス
共働き夫婦の子育てや親世代の介護などを見据えて、二世帯住宅が注目されています。二世帯住宅を建てる際は、一家族のみでの家づくりとは、気をつけるべきポイントが異なります。何より大事にしたいのが「間取り」。両世帯がお互いが気持ちよく、そして安心して過ごすためには、どのような間取りがお互いにとってベストなのかをしっかり検討することが重要です。さらに、将来にわたって暮らしやすいデザインにすることも大切な視点です。そこで、二世帯住宅に取り入れたい、間取りやデザインの8つのアイデアをご紹介します。
1.土間や中庭など、二世帯をつなぐフリースペースを設ける
大開口によって、室内と庭が一体化したお宅。それをつないでくれるのが、この広々とした土間スペースです。家の“顔”にもなる土間は、親世帯と子世帯が気兼ねなく一緒に使えて、自然と家族が集まってくる空間になるはず。アウトドアリビングのような感覚で二世帯一緒にごはんを食べたり、おじいちゃんとお孫さんでDIYを楽しんだりと、さまざまな楽しみ方ができます。屋内と屋外をつなぐ土間が、二世帯の関係もつないでくれるでしょう。
奥に見える玄関を入ると、そこから親世帯と子世帯の居住スペースが左右で分かれるこちらのお宅。それをつないでくれるのが、家の中心にある中庭です。それぞれの居住スペースの間に中庭があることで、近すぎず遠すぎずのちょうどよい距離感を保つことができるでしょう。夏になればここに集まってお酒を飲んで涼んだり、ビニールプールで遊ぶ子供たちを見守ったりと、家族にとってかけがえのない空間になります。
2.二世帯でゆったり作業できる、カウンターキッチン&ダイニングテーブルを
二世帯で一緒に利用するキッチンなら、余裕をもってたっぷりとスペースをとってみると、2人以上で作業するストレスも軽減するはず。さらに、こちらのお宅のように、キッチンカウンターをワイドに造作するのも、二世帯住宅ならではのアイデア。大人数でカウンターを囲むことができて、おばあちゃん、お母さん、お子さんと三世代で料理を楽しめるでしょう。お子さんにとっては、よい食育にもつながります。
大きなダイニングテーブルは、親世代と子世帯をつなぐコミュニケーションの場所になります。そこで食事をするのはもちろん、ゆっくりお酒を飲みながらおしゃべりを楽しんだり、お子さんの宿題を見てあげたりと、テーブルを中心に家族が自然と集まってくるでしょう。ベンチ型のダイニングチェアは、座る人数を限定しないので、二世帯住宅にはもってこいのアイテムです。
3.二世帯住宅の空間をゆるく区切ってくれる吹き抜けやスキップフロア
二世帯住宅の場合、1階は親世帯、2階は子世帯というように階ごとに居住空間を分けるケースも多いでしょう。お互いのプライバシーをきっちり分けたい場合にはいい間取りです。しかし、子育てを二世帯で協力したいご家族の場合は、空間をはっきりと分け過ぎないのもアイデアのひとつ。たとえば、スキップフロアを上手に活用して居住スペースを分けつつ、ゆるくつなげるのもおすすめです。一緒の空間で暮らしながらも、フロアごとにスペースが区切られるので、適度な距離感で暮らすことができます。
家全体を1つの空間としてつなげてくれる吹き抜けは、二世帯住宅にはおすすめの間取り。とくに、お子さんが小さな頃は、家族全員でお子さんを見守ることができるでしょう。また、お子さんが成長して年頃になっても、適度なコミュニケーションを取ることができます。逆に、ご高齢になったご両親の様子を感じることもできるでしょう。家族の声がいつでもどこかで聞こえる家では、お互いにとって安心感があります。
4.二方向にアクセスできる、広々玄関で二世帯がつながる
二世帯住宅の中には、玄関だけを共同にして、その先は親世帯と子世帯に居住スペースが分かれているというケースもあります。玄関だけでも一緒にすることで、同じ空間に暮らしているという実感が味わえます。また、シューズクロークなどをしっかり分けられるというメリットも。空間に余裕があれば、こんな間取りを取り入れるのもおすすめです。
こちらの二世帯住宅の場合は、玄関ホールまでは共通にして、そこから先にそれぞれの居住スペースへ続くドアを設置。ライフスタイルが異なるなどの理由から、空間をしっかりと分けたい場合には、こういった間取りを採用するのも手。朝出かけるときや家に帰ってきたときなどに顔を合わせ、あとはお互いが必要なときに行き来する、そんな暮らし方ができる間取りです。この広々とした玄関土間は、家族が気楽に語らえる場所にもなるはずです。
玄関を共同にする場合に心配なのが、郵便物などのプライバシーではないでしょうか。そのような心配も、写真の事例のようにポストやインターフォンを各世帯ごとに2つずつ設置することで解決します。各世帯の訪問者や郵便物は個人的な内容であることが多いもの。このような工夫を凝らすことで、お互いが気持ちよく安心して生活できます。
5.フレキシブルに使える、小上がりの畳空間が何かと大活躍!
二世帯住宅のリビングルームに小上がりの畳スペースがあると、何かと重宝するもの。たとえば、小さなお子さんをここで遊ばせたり、昼寝をしたり。ときには、家族みんなでカードゲームなどを楽しむこともできるでしょう。さらに、親世代が食後にゆっくり過ごす場所としても活用できそうですね。少し段差があることで、淵に座って使えるのもポイントです。
モダンで洋風なインテリアでも、畳のデザインによっては、畳スペースを違和感なく間取りに取り入れることもできます。琉球畳を採用したり、縁なしのすっきりとしたデザインのカラー畳にしたりと、工夫次第で素敵な畳空間になります。二世帯住宅の家づくりでは、家全体の統一感を意識しながらも、お互いの好みを少しずつ採用し合うことも大切ですね。
和室スペースと洋風リビングの双方に馴染む共通のデザインを取り入れるのも、一体感を持たせるコツです。こちらの畳スペースの吊り収納に使われている唐紙は、「家内安全」や「子孫繁栄」等の想いがこめられたもの。見た目がおしゃれなだけでなく、二世帯双方が幸せで豊かに暮らせるようにという住まう人の願いが表現された素敵なデザインですね。
6.洗面やトイレ、玄関など、親世代が安心して使えるデザインを採用
二世帯住宅を建てる際に考えなくてはいけないのが、バリアフリーのこと。後から大規模なリフォームをするのはコストがかかり、負担も倍増します。将来、車椅子を使用することになった場合、リフォームをせず対応できるように、あらかじめさまざまなケースを想定し将来を見据えた間取りやデザインにすると安心です。たとえば、段差をなるべく小さくする、車椅子が通れる幅を確保する、手すりを設けるなどの工夫を検討してみましょう。
こちらの二世帯住宅では、ご両親が使用する1階のトイレをバリアフリー対応に。トイレにも手すりを設けたり、洗面台は椅子を置いて使用することを想定したデザインや高さにするなど、さまざまな工夫がなされています。将来を見据えた設計でありながらも、洗練されたデザインを取り入れることで、いわゆるバリアフリーのトイレというイメージではなく、素敵な洗面やトイレという印象になります。
意外に思われるかもしれませんが、ビルトインガレージもバリアフリーに一役買います。例えば、車から降りて車椅子に乗り換えなければいけない場面で、雨が降っているとそれだけで大変。しかし、車を停めてそのまま家に入れるビルトインガレージなら、悪天候でも関係ありません。柱がなく二世帯分の車を停められる大空間のビルトインガレージなら、将来介護が必要になった際にも活用しやすい広さです。
7.二世帯どちらからも愛される、“和モダン”をテーマに
二世帯住宅の外観選びは、お互いの好みもあり、なかなか難しいもの。その点、“和モダン”なデザインは、広い世代から愛されるはずです。
たとえは、こちらのお宅では、外壁にはシックなグレーを採用し、2階のデッキや軒の天井で使われているレッドシダーとのバランス感も抜群。モダンな印象を与えながらも、どこか“和”も感じさせる外観で、親世代にも子世代にも愛される家になります。二世帯住宅であれは、お互いの好みに寄り添った外観にすることも必要です。
緑豊かな環境の中に建つ、こちらの二世帯住宅は、まさに“和モダン”といった印象の外観。玄関には和風の引き戸、窓には木のルーバーを採用するなど、ところどころに和の要素を取り入れることで、落ち着いた雰囲気に仕上がっています。家にいる時間が多い親世帯にとっては、窓から見える景色も楽しみのひとつ。二世帯住宅を建てる際には、周囲の住環境や景色などにも注目して、土地探しや家づくりをすることも大切です。
8.工夫を凝らしたリビングで二世帯のコミュニケーションがスムーズに
リビングは親世帯と子世帯で共有にすることが多いスペースです。二世帯の交流の中心として重要な役割を果たすリビングには、居心地のよさに加えてコミュニケーションをとりやすい工夫を凝らすと良いでしょう。写真のように、ボルダリングウォールや飾り棚で活き活きと楽しい空間のリビングは、家族の笑い声があふれる様子が想像できますね。
一方で、親子世帯で生活リズムが異なる場合もあるでしょう。そのような違いで両世帯がストレスを感じないよう、キッチン・ダイニングとリビングを一体にしつつもあえて間仕切りで分離できるようにするのも良いでしょう。そうすれば、生活時間帯のずれによる音などを緩和できます。親子世帯といえども価値観や生活リズムが違うのは当たり前。お互いのペースを尊重しながらもそっと寄り添う距離感を大切にすることでコミュニケーションが円滑になります。
まとめ
二世帯住宅を建てる場合、まずはお互いがどんな暮らし方をしたいのかをじっくり話し合うことからはじめましょう。それによって、ドアから完全分離にするのか、玄関は1つで居住スペースだけ分けるのか、階によって世帯を分けるのかといった大きな間取りの方向性が決まってきます。
さらに、間取りに中庭や土間などのフリースペースを取り入れることで、家族が自然と集まれる空間が生まれます。お子さんやお孫さんが小さければ、家族みんながお互いの存在を感じられる吹き抜けやスキップフロアなどを採用するのもいいですね。
二世帯住宅は、家族みんなで子供の見守りができたり、逆に親世代を見守ったり、そういったお互いの思いやりを感じることができる家なのです。ライフスタイルや価値観の異なる二世帯が、お互いを思いやりプライバシーを尊重し合うことでポジティブに暮らせる間取りとデザインを実現しましょう。