土地を購入して注文住宅を建てる方へ【間違いのない土地探しの秘訣を教えます】

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新しく土地を購入して注文住宅で家を建てたいと考える方にとって、「間違いのない土地探し」は大きなテーマだと思います。ご希望の土地を見つけるまでに、多くの時間と労力を費やす方もいらっしゃるでしょう。今回は、そんな「土地から購入して注文住宅で家づくりを検討されている方」へ、お役に立つアドバイスをしたいと思います。
1.「全体の予算の中から土地取得にかけられる予算を決める」
まず、土地探しの前に必ずやってほしいことが「資金計画」です。
このテーマについては、前回の「家づくりコラム」で解説しましたので、まだピンと来ないという方はこちらを一度ご覧ください。
土地探しを始める前に、土地取得にかけられる予算を決める必要があります。予算を決めないで土地探しを行うことは、失敗する大きな要因です。希望の土地が出てきたときに判断が鈍ったり、高額な土地を購入してしまって最終的に予算オーバーとなることも予測されます。
そうならないためには、しっかりと資金計画を立てた上で全体の総予算を決めることが大事です。
総予算が決まったら、以下の配分を決めてください。
①総予算( )= ②土地取得費( )+ ③建築費( )+ ④諸経費( )
ここで問題となるのが、③の建築費の目安です。④については、金融機関などで調べればある程度わかると思います。しかし、建築費については実際に住宅会社と話をしないとわかりません。よって、実際に住宅会社に相談することが必要となります。
ここで、「自分たちが望む家を建築するにはどのくらいの費用が掛かるのか」を大まかでも把握することが重要なポイントです。
そうすれば、結果的に②の土地取得にかかる費用の目安がわかります。
①の総予算が決まっている以上、③にかかる費用を大きくすれば②は小さくしなければいけません。逆に②で大きな費用をかけてしまうと③は低く抑えなければいけないということになります。この仕組みをしっかりと頭に置いたうえで、土地探しをスタートさせてほしいと思います。
こんなことは当たり前だと思いがちですが、意外とこのプロセスを経ないで土地を決める方は多いのです。結果的に満足できる家が実現できれば良いですが、「土地は見つかったけど、建築費が出てこずに理想の家にならなかった」というような、最終的に家づくりに失敗してしまう可能性が高いことは否めません。
このプロセスをしっかりと経てから土地探しを進めていくことで、そのような事態を防ぐことができます。
2.「土地価格以外にかかる費用を知る」
前述した「土地取得費用」について、土地の価格以外にかかる費用があることを知っておいてください。
ケースによりますが、以下のような費用が想定されます。
2-1.「不動産仲介手数料」
不動産会社の仲介で土地を購入すれば必ずかかる費用です。仲介手数料の上限は法律で決まっていて、「土地価格×3%+6万円+消費税」となります。不動産会社自身が「売主」となっている場合では、仲介手数料がかからないケースもあります。その売り物件が「仲介」なのか「売主」なのかは必ず明記されているので、しっかりチェックしましょう。
2-2.「解体費用」
売り物件の土地に古屋などが建っている場合には「解体費用」がかかります。中には解体費用を売主が負担する「更地渡し」というケースもありますので、古屋がある場合には事前に売主側と相談するとよいでしょう。
2-3.「上下水道関連工事」
敷地内に水道が引き込まれていない場合には、水道引き込み工事費用が掛かります。下水についても同様です。これは、敷地内だけでなく前面道路の工事も行うことになるので、場合によっては工事費用も数十万~100万超となることもあります。かなり高額なので必ず事前にチェックをしてください。特に、その土地が「駐車場」や「空き地」など、長期間使われていなかった場合などは要注意です。
また、水道が引き込まれていても水道管が「13㎜」と細く、水圧によっては現在の用途に合わない場合もあります。(現在は20㎜が一般的)これも同様の工事が必要となることがありますので、事前に確認をしておいてください。
2-4.「擁壁工事」
擁壁が古い場合や道路との段差が大きい場合などは、新たに擁壁工事が必要となるケースもあります。これも100万単位の金額となるケースも考えられるので、注意してほしいところです。
これらを全てチェックすることは、初めて土地を購入する方にとっては難易度が高いことかもしれません。本来であれば不動産会社が細かく金額まで教えてくれることが理想ですが、不動産会社自身もよくわかってないケースも多いのが現実です。
これを解決する一番の方法は、信頼する「住宅会社」に相談することです。実際に建築を行う住宅会社であればすぐにわかります。気に入った土地が見つかった時には、早めに信頼できる住宅会社に相談してみましょう。
3.「土地の法規的制限を知る」
土地を見るときに法規的な制限があることはご存知方も多いと思います。これも、土地探しの際に知っておくべき情報です。
3-1.「建ぺい率」
その敷地における「建築面積」の割合の上限です。「建築面積」とは、建物を上から見たときに見える大きさです。大まかにいうと1階の基礎の面積に近いですね。
「40坪 建ぺい率50%」という土地であれば、建築面積が20坪まで可能という意味です。
3-2.「容積率」
その敷地に対する建物の「延床面積」の割合です。「延床面積」とは1階と2階、3階の床面積を全て合計した面積です。原則的に「吹き抜け」や「小屋裏」「バルコニー」は算入されません。(場合によっては算入されるケースもあります)
「40坪 容積率150%」という土地であれば、延床面積が60坪まで可能という意味となります。
3-3.「斜線制限」
斜線制限には前面道路に関係してくる「道路斜線」や、土地の北側からかかる「北側斜線」があります。特に、「北側斜線」については、その土地によって異なりますのでチェックが必要です。
3-4.「防火地域」「準防火地域」
防火に対しての厳しさが関係する「防火地域」「準防火地域」などがあります。
特に注意すべきは「防火地域」です。商業地や幹線道路沿いなどに設定されている「防火地域」では、原則として3階建てや100㎡超の住宅が一般の木造では建築ができません。(木造耐火構造にすれば木造でも可能となります)これを理解しないで購入してしまうと、床面積に制限を受けたり、建築費が高くなってしまうことがありますので要注意です
これらは、土地を購入するときには不動産会社から説明されるはずですが、慣れない用語なので理解しにくい面もあるかもしれません。また、「斜線制限」は実際に設計する上での立体的な制限なので、特にわかりにくいと思います。
これも、住宅会社や設計士などの建築設計のプロフェッショナルと事前に相談できれば安心です。
4.「希望の条件を整理する」
土地探しを始める際には、自分の希望の条件を整理することがポイントです。整理しないまま土地探しを始めると迷走する可能性があります。
希望する条件には下記のようにいくつかあります。
- 希望するエリアについて
「区市町村」「最寄りの駅」「最寄りの駅からの距離」「バス便含むか否か」「子供の学校の学区」「買い物や病院などの利便性」「住宅地or商業地」など
- 希望する土地の大きさ
「希望する建物の大きさ」「駐車場の有無」「庭の有無」など
- 希望する土地の形状や環境
「道路付け」「間口と奥行き」「整形地or変形地」「住宅密集地or閑静な住宅街」など
①については勤務先や子供の学校、馴染みのある土地であるか否かなどが関係してくると思います。あまり絞りすぎても難しいですが、大まかすぎてこの方向性が決まらないと土地探しは迷路に入ります。どのエリアが良いのか、どの沿線にするのかなど、3つくらいの候補は決めた方がよいでしょう。
ここが決まれば、おおよその土地の坪単価の相場がわかります。そして②については、その坪単価と土地取得費のバランスも考慮しながら調整していくことになります。
③については、建物のプランニングとのバランスで変わる部分でもあります。
これらの中から、「ゆずれる」条件と「ゆずれない」条件の優先順位を整理してみましょう。
全ての希望条件に見合う「100点満点」の物件がみつかることは非常に難しいのです。「期限を設けずに希望の物件がでてくるまでいつまでも待つ」というなら可能性もありますが、ある程度の期限を持っているならなおさらです。
大事なことは、譲れない条件は満たしながらも、全体で「70点」であればOKという気持ちを持つことです。そうすることで、決断をしやすくなります。
土地というのは、同じものはありません。ある意味「決断力」が必要です。決断をするためにも、希望条件や優先順位を整理しておくことは重要なことになります。
5.「建物の設計で解決できることがある」
土地に対する希望条件を挙げる際に、一見すると条件が悪く見える土地でも、建物の設計で解決できることがあることを知っておいてください。
例えば、一般的には「南道路」は人気ですが、これは「陽当たり」の良さを想定して希望される方が多いことが要因です。一方「北道路」の土地の人気が低いのは、その「陽当たり」が悪いと思われることからきています。
しかし、あくまでも家の中に暮らす上で陽当たりが良いか否かということなので、建物を建てたときには、これらは必ずしもそうではないのです。
建物配置や部屋のゾーニングを考慮し、「吹き抜け」や「高窓」などを上手に使うことで、
北道路でも明るく日当たりのよい家になることは十分に可能です。逆に前面道路から家の中が見られないという利点も生かすことができます。
他にも「間口が狭くて奥行きが長い」土地や「敷地延長の旗竿上」の土地なども比較的不人気ですが、これらも明るい家で快適に暮らしている事例はたくさんあります。
一般的に「不人気」ということは、金額が割安ということでもあります。このような「割安」な土地を購入して、その分建物の質を高めて快適に暮らすことも賢い家づくりの考え方といえるでしょう。
一方、割高な土地というのは、「南道路」「東南の角地」や「真四角の整形地」などです。これらは、だれが設計してもそれなりの家になります。資金に余裕のある方や建物の質にこだわらない方はこれらを選択してもよいと思いますが…。
これは前述した土地の希望条件の中の「ゆすれる条件」として検討できる部分です。
6.「信頼できる住宅会社を土地探しのパートナーとして付き合う」
ここまで読んでいただいて気づかれた方も多いかもしれませんが、間違いない土地を探す最大の方法は、「信頼できる住宅会社をパートナーとして一緒に相談しながら土地探しを行う」ことなのです。
そうすることで、全体予算のバランスもとることもできますし、事前にかかる経費も把握できます。また、一見不人気な敷地であっても自分たちの望む暮らしが可能かどうかの判断もしてくれます。
これらを不動産会社のみで行うと失敗する可能性も出てくるわけです。特に、注文住宅で自分たちのこだわりを実現できる質の高い住宅を望む場合は、このプロセスがとても重要になるわけです。
「まだ土地が決まっていないから住宅会社に行っても相手にしてくれない」と思っている方もいるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。住宅会社の中には、土地がまだ未決定の方でも、しっかりと相談に乗ってくれる会社が必ずあります。
「よい家づくり」は「よい土地」だけでは実現しません。その土地の上に質の高い、満足できる住宅が建築されて初めて実現することを忘れないでください。
WEBサイトなどから、自分たちの望みに合いそうな会社を見つけたら、まず「土地を探している段階ですが、相談に乗っていただけますか」という問い合わせをしてみてください。そして、信頼できると思える住宅会社が見つかったら、なんでも相談しながらじっくりと土地探しを始めてください。きっとよい土地が見つかるはずです。
その時の注意点としては、「住宅会社に土地探しまでを期待してはいけない」ということです。中には不動産部門を持っている会社もありますが、多くの住宅会社は建築専門です。情報量では専門の不動産会社にはかないません。「良い土地を探してくれる住宅会社=優良な住宅会社」ではないことを理解してください。
また、最近はインターネットの普及で、売り物件の多くはWEBサイトで公開されています。あくまでも土地探しは不動産会社を使いながら、自分自身で積極的に行うことが大事です。そこで、購入を検討できる土地を見つけた時点で、住宅会社に相談するのです。
このように、不動産会社と住宅会社を上手に使い分けながら土地探しを行うことをお勧めします。
そうすれば、きっと納得できる土地が見つかり、結果的に満足できる家づくりが可能となるはずです。