薪ストーブのある家を注文住宅で作る時のポイント解説

薪ストーブのある家を注文住宅で作る時のポイント解説のインデックス
薪ストーブやペレットストーブが流行していますが、その背景には環境意識への高まりや、ゆらぐ炎の温かな雰囲気への憧れがあります。
木枯らしの便りが聞かれる頃にそっと火をくべたくなる薪ストーブの魅力や、メリット・デメリット、薪ストーブのある家の作り方についてご説明します。
1.薪ストーブの魅力は「心豊かに過ごせること」
電源を入れれば温かさを得られるエアコンも便利ですが、敢えて時代に逆行するかのような薪ストーブが見直されてきているのはなぜでしょうか。今回は寒い冬に、あなたの体も心も暖めてくれて、しかも豊かにしてくれる、薪ストーブの魅力に迫ってみたいと思います。
1-1.炎が視覚にも温かく、心が満たされる
人間が情報を得る手段の大半は視覚とされています。ゆらぐ炎が見え、見た目にも温かみを感じる―これは、ストーブの最大の魅力ではないでしょうか。家族がリビングに自然に集まってくる家になるのも納得できます。
1-2.薪ストーブの種類によっては調理も可能
冬の定番料理といえば、シチューやカレーを代表とする煮込み料理です。天板が活用できるタイプのストーブを導入すれば、暖を取るのと同時にこのような料理も可能です。直火でなく、じんわりと伝わる熱でじっくりと煮込むことができ、より一層味わい深い一品となります。調理をしたい場合には、素材や形状等で調理しやすいものを選ぶといいですね。
1-3.カーボンニュートラルな生活の実現
エコロジーを語る上で、カーボンニュートラルという言葉を避けて通ることはできません。カーボンニュートラルとは、私たちが生活するうえで発生する二酸化炭素を「収支ゼロ」にすることです。
ストーブを焚くために必要な薪などの木質燃料は、その昔山で酸素を生み出していたものです。それを燃やし排出する二酸化炭素は、その木が生み出した酸素とほぼ「プラマイゼロ」となり、限りなくカーボンニュートラルの状態に近づくことができます。
自然環境について真剣に考えなくてはならない私たちにとって、ストーブは一つの切り札となるのです。
1-4.森林の生まれ変わりに寄与できる
日本の国土の約7割は森林です。これらの森林は林業の衰退により担い手となる若手が減り、荒れ放題となっている山も少なくありません。木は伐採や枝打ちといった手入れをされて初めて、良い木材となりますが、それらの作業は重労働です。
木々に覆われた山は土が強固で、雨水を吸い、良い水の供給源ともなります。森林、つまり山は手入れされていればこそ、私たちの暮らしを満たしてくれるのです。良い木材・良い水を手に入れられるのは林業の方々のおかげと言えます。
私たちの命の源ともいえる「森林の生まれ変わり(古い木を切り、新しく植樹する)」を燃料購入により金銭面でサポートできるのも、ストーブ導入の大きな意味のひとつです。
1-5.温かさをより体感しやすい遠赤外線・輻射熱の放射
こたつに入ると、足元が芯から暖まるものです。これは遠赤外線の効果です。
遠赤外線は物質内部の水分子を活発に働かせます。血流促進、血管の拡張によって体が温まるという仕組みです。また、炎によって熱くなった金属すなわち、暖房器具自体から放たれる輻射熱は、まるで太陽光のように優しく温めてくれます。
薪ストーブやペレットストーブは、遠赤外線や輻射熱の効果で、人の体を優しくじんわりと暖かくしてくれます。これはエアコンや石油ストーブのように暖房器具が出す暖かい空気の循環で室内を温めるものとは異なり、人の体にやさしい自然な暖房器具といえます。
2.薪ストーブの種類とその特徴
薪ストーブと一口に言っても、素材や燃料などの種類はいくつかあります。自分たちの目的や予算に合わせて、また、メンテナンスについても確認しながら選びましょう。
2-1.鋳物製 薪ストーブ
鋳型と呼ばれる特殊な砂で出来た型に、熱した鉄を流し込んで作るものなので型を作ることさえできれば、様々なデザインで作ることが出来るというものです。インテリアに合わせて、デザインにこだわりたい人に向いていると言えるでしょう。温まるのはゆっくりですが、一度温まると冷えにくいという特徴もあります。ただし、急激な温度変化によって割れることがあるので温度管理に注意が必要です。
2-2.鋼板製 薪ストーブ
鋼板製薪ストーブは、その名前の通り鋼板を加工して作られたものです。形状はシンプルな物が多く、大きなガラス窓がはめられている物が多いので、炎を見て楽しみたいという人に向いているでしょう。鋳物製と違って温度変化に強いというメリットはありますが、温まっても火が消えると冷えるのが早いというデメリットもあります。
2-3.鉄板製 薪ストーブ
鉄板製薪ストーブも、その名前の通り鉄板を加工して作られたものです。薄く作ることが出来る為、軽量化が可能で、持ち運びにも苦労せず、暖房器具としてだけでなく、調理器具や、アウトドア用品として使われることも多いのが特徴です。他のストーブに対し、耐久性は劣りますが値段が安いというメリットもあります。
2-4.薪ストーブとペレットストーブ
ストーブの燃料には「薪」と「ペレット」の2種類があります。それぞれの特徴を理解して選択していきましょう。
1.薪ストーブ
薪ストーブは、文字通り薪が燃料です。4メートル以上の煙突を立てることが必要で、火力も強いので、大きな場所を暖めることが出来ます。また、暖かい空気が上昇する性質を利用して、自然排気できるというエコなことも大きな特徴です。電気が必要ないので、停電などいざと言うときにも使えるのが薪ストーブです。
燃料となる薪は、1~2年乾燥させたものを用いる必要があります。家族や親戚に山を持っている人がいるなど、木が手に入りやすい条件が整っていれば、燃料が手軽に入手できますが、そうでない場合は購入しなければならないのでその分のコストはかかってしまいます。さらに、薪割り作業や、乾燥のための保管場所も必要ですので、そういった作業を面倒に感じない人に向いていると言えます。
2.ペレットストーブ
薪と同じ木質素材ではありますが、木材を細かく砕いて圧縮した小さな円筒形の燃料を使用するストーブです。電気で稼動するファンを用いて排気を行いますので、薪ストーブほど高い煙突も必要なく、工事費用も安価で済むことが特徴です。
暖房効果としては、薪ストーブと比較して多少劣りますが、木質ペレットは薪を購入するよりコストが安いのがメリットと言えます。
3.薪ストーブで後悔する理由
薪ストーブは魅力がたっぷりですが、導入するに当たって注意点も考えておく必要があります。薪ストーブを導入した後で、こうしておけばよかったという体験も合わせ、後悔しないように色々な条件をクリアにしておきましょう。
3-1.すぐには温まらない 薪ストーブ
薪ストーブは、電気を使用する石油ファンヒーターやエアコンのように、スイッチを入れればすぐに温まるものではありません。薪やペレットをくべて、本格的に部屋が暖まり始めるまで時間がかかってしまいますので、朝起きてストーブに火をつける作業も大変ですし、せっかく火がついても暖まる前に家を出なければいけなくなるという状況になる可能性もあります。
また、ストーブや煙突などを選ぶときに価格だけに捕らわれて、部屋の大きに合わない小さいものを選んでしまうと、思ったように室温が上がらないというケースもあります。
さらに吹き抜けや高い天井の部屋では、温まった空気が部屋の上層に溜まってしまい、人が行き来する下層がうまく暖まらないこともあります。シーリングファンなど空気を部屋の下層部に戻すための設備をストーブと同時に使用した方がいいでしょう。
3-2.ストーブそばの壁に遮熱対策を施す必要
ストーブは四方に温かさを放射する性質がありますので、部屋の中央に設置すると一番効果的です。しかしながら、設置する部屋を広く取れない、もしくは使わない季節にもスペースを取られたくない場合は、部屋の隅に配置することになるでしょう。
また、火災の発生を防ぐために、建築基準法に則った難燃材を周囲の壁または床に用いなければなりません。商品によっては本体側にヒートシールドをオプションで付けられるものがあったり、スタンドタイプのウォールヒートシールドを別売りで用意しているメーカーもあります。
せっかく薪ストーブを採用するのですから内装材にもこだわって、難燃性の高い石材やレンガなど、デザイン的にも気に入ったものを採用すると薪ストーブ周りの雰囲気もよくなって一石二鳥になるでしょう。
3-3.煙と「ご近所問題」
薪ストーブやペレットストーブは、煙の濃淡の差こそあれ、煙が出るのが特徴です。秋冬の風向きを調べ、近隣の家に迷惑がかからないような位置に設置することが鉄則です。時にご近所問題に発展し、せっかく設置したストーブが使えなくなったというケースも散見されますので、注文住宅ならではの自由性を充分に活用し、「正しい場所」に設置することが必要です。
3-4.メンテナンス不足から起きるトラブル
薪ストーブは、シーズンを過ぎると煙突掃除が必要です。もしも煙突がすすなどで汚れきってしまえば、煙突そのものが真っ赤になったり、炎を上げることもあります。ペレットストーブの場合は、燃焼管理や排気に電気的設備を用いますので、これらにトラブルが起きてしまうと煙や火災を引き起こす可能性もあります。
薪ストーブは煙突が高い位置にあるので、個人でメンテナンスをするのは大変です。コストはかかりますが、業者を手配するのが賢明でしょう。また、薪をよく乾燥させるということも煙を少なくすることに繋がりますので、薪の保管についても配慮する必要があります。
重量木骨の家の「薪ストーブの家」実例紹介
ハウスメーカーで特殊な造作を望もうとすると、規格から外れてしまうため高くついてしまいます。また特別な配慮の必要な薪ストーブやペレットストーブ導入には、家の内部だけでなく近隣への配慮も重要ですので、実績を持つ施工会社へ事前に相談する事が必要です。
こだわりの注文住宅への対応が可能で、そして実際に薪ストーブを取り扱った例を多く持つ重量木骨の家なら、安心してご依頼いただけます。注文住宅ならではの自由さで、あなたのイメージする薪ストーブのある家を実現してください。