パントリーのメリット・デメリット! 上手な収納アイデアを解説

パントリーのメリット・デメリット! 上手な収納アイデアを解説のインデックス
パントリーは、食品や日用品を保管するための収納スペース。まとめ買いのストックや、キッチン周りの整理整頓など、さまざまな面でメリットがあり、家事効率を重視される方々に人気の間取りです。今回の記事では、パントリーのメリット・デメリットや、計画時に気をつけたいポイント、上手な収納のコツなどをご紹介。使い勝手の良いパントリーを設け、快適なキッチンライフを目指しましょう。
パントリーとは?
パントリーとは、キッチン周りの収納スペースのこと。主に食材の貯蔵庫として使われ、調味料や調理器具、食器、日用品など、さまざまなアイテムを収納することができます。キッチンに隣接した場所に独立したスペースとして設けられるケースが多く、大容量のストックを可能とします。
パントリーで保管できるものは?
パントリーを快適に利用するためには、保管に向いているもの・不向きなものをよく理解し、キッチン収納と上手に使い分けることが大切です。
食品
パントリーでの保管に適している食品は、賞味期限が長く、常温保存ができるもの。例としては、以下のようなものが挙げられます。
・米や小麦粉などの穀類
・調味料や乾物
・レトルトや缶詰、インスタント食品
・飲料や食用油
・常温保存できる野菜(イモ類、タマネギ、カボチャなど)
反対に、パントリーでの保管に適さない食品は、生鮮食品など腐りやすいものや、常温保存できないものなどが挙げられます。また、賞味期限が短い食品や開封済みの食品は早めに使い切る必要があるため、パントリーの手前側や、キッチンの目につくところに置きましょう。
日用品・消耗品
日用品・消耗品は使用期限が長いものが多く、パントリーでの保管におすすめ。消耗の早いキッチンペーパーやラップ、食器用洗剤、ゴミ袋などをキッチン近くのパントリーにストックしておけば、キッチンでの作業中に切らした時にすぐに補充できて便利です。容量に余裕があれば、キッチン以外の部屋で使う日用品(トイレットペーパーやシャンプー、洗濯用洗剤など)を保管してもよいでしょう。
調理器具・家電
限られたキッチンスペースを広々と使うために、場所を取りやすい調理器具や家電はパントリーに保管しておくと良いでしょう。家電は、コンセントから電源プラグを抜いて片付けておけば、節電にもつながります。使用頻度が低く、持ち運びやすいものがパントリーでの保管に適しており、具体例としては、ミキサーやホットプレート、ホームベーカリーなどが挙げられます。使用頻度がそれほど高くない鍋やフライパン、食器類などもパントリーに置いておくと良いでしょう。
パントリーを設置するメリット
大量にストックできる
パントリーを設置するメリットの一つは、大量ストックが可能となること。キッチン収納にプラスして使うことで、食品や日用品、家電など、キッチン作業に必要なアイテムをたっぷりと保管できます。一度にたくさん購入したものをまとめて置けるため、大家族や、なかなか買い物に行けない忙しいご家庭におすすめ。セール時に買い溜めておけば、家計の節約にもつながります。レトルトや缶詰などの非常食の保管にも適しており、災害時にも安心です。
家事効率が高まる
パントリーはキッチンに隣接して設置されるため、キッチンとの行き来がしやすく、家事効率のアップにつながります。必要な食材や調理器具をすぐに取り出すことができるため、火を使った料理の最中や、幼いお子さんから目が離せない時などに便利です。また、玄関に直結する場所にパントリーを設ければ、買い物から帰宅した後に荷物をスムーズに片付けることができます。
キッチンを整理できる
パントリーを活用すれば、キッチン周りをすっきりと片付けることができます。見た目が美しくなるだけでなく、広々としたスペースで作業できる点もメリット。また、調理家電は場所を取りやすく使用頻度が低いものも多いため、パントリーでの収納がおすすめ。食材に関しても、使用頻度の高いものはキッチン、低いものはパントリーというように、収納場所を決めておくと良いでしょう。
在庫管理がしやすい
キッチン収納にプラスしてパントリーを設ければ、収納を分散させてスッキリ見せることができ、何がどこにあるのかが把握しやすくなります。在庫管理がしやすく、使いかけや賞味期限切れの食材も一目で確認できるため、無駄な買い物や食品ロスを減らすことにもつながります。オープン棚にしたり、ボックスやラベルを活用したりすれば、より管理がしやすくなるでしょう。
パントリーを設置するデメリット
他の部屋が狭くなる
パントリーに十分な収納力を求めるとなると、それなりの広さが必要となり、居住スペースを圧迫してしまう恐れがあります。家の広さに余裕がない場合は、パントリーと他の部屋の優先順位を考慮した上で間取りを考えましょう。場所を取らないコンパクトなタイプのパントリーを採用したり、パントリーを設けない代わりにキッチン収納を広めに計画したり、といった案も検討すると良いでしょう。
ものを買いすぎてしまう
パントリーが広いと、ついストックを増やしすぎてしまうことがあります。安売りのときに大量購入したものの、奥にしまい込んだまま忘れてしまい、気づけば賞味期限切れになっていた……というのはありがちな話。保管したものが一目でわかるよう、日頃から整理整頓を心がけ、定期的に在庫を確認するようにしましょう。
移動距離が長くなる場合も
パントリーはキッチンとの行き来のしやすさがメリットですが、キッチン収納だけで完結する場合に比べると、どうしても動線が長くなってしまいます。無駄な移動をなくすためには、使用頻度の高いものをキッチンに、使用頻度の低いものをパントリーに置くと良いでしょう。また、このようにキッチンとパントリーを上手に使い分けるためには、両方の収納をある程度充実させておくことが重要です。
パントリーは、こんな暮らしにおすすめ!
パントリーはあると便利なスペースですが、家族構成やライフスタイルによっては必要でない場合があります。パントリーを計画するか否かについては、ご家族の要望や条件を考慮した上で決定しましょう。例えば以下のようなご家庭の場合は、パントリーがあると便利でしょう。
・まとめ買いをよくする
・家族の人数が多い
・キッチンを綺麗に見せたい
・忙しくて買い物に行けない
・使用する食材や調味料の種類が多い
・家電や調理器具が多い など
また、以下のような場合は、必ずしもパントリーを設置する必要はないでしょう。
・家の広さに余裕がない
・家族の人数が少ない
・移動をキッチン内で完結させたい
・あまり料理をせず、ものが少ない
・在庫管理が苦手 など
パントリーの種類 ①タイプ別
パントリーには大きく分けて3つのタイプがあります。ここでは、「壁付けタイプ」「ウォークインタイプ」「ウォークスルータイプ」のそれぞれの特徴について解説していきます。
壁付けタイプ
壁付けタイプは、壁面を利用して収納スペースを設けるタイプ。キッチン内に簡易的に設置する場合が多く、料理中に必要なものをすぐに手に取ることができます。一般的な広さは、半畳〜1畳ほど。場所を取らず設置しやすいのが魅力で、他のタイプに比べると収納量は少なくなります。キッチン収納にプラスして、少量のストックをまとめておきたい場合におすすめのタイプです。
ウォークインタイプ
ウォークインタイプは、人が中に入れるほどの広さを確保したタイプ。一般的なサイズは1〜2畳程度と言われていますが、さらに大きなサイズで計画される方も多くいらっしゃいます。壁付けタイプよりも収納力が高く、ものを取り出しやすいという特徴があります。一つの部屋として独立しているため、ものをスッキリと隠せる点も魅力。ただし、ある程度のスペースが必要であるため、家の広さに余裕がない場合は不向きと言えるでしょう。
ウォークスルータイプ
ウォークスルータイプもウォークインタイプと同様に、一つの部屋として独立したタイプで、人が中に入れるほどの広さがあります。ただし、ウォークインタイプは入口が一箇所であるのに対し、ウォークスルータイプは二箇所あり、通り抜けられるようになっています。スムーズな動線を作りやすく、間取りを工夫することで家事効率を高めることができます。
パントリーの種類 ②扉の有無
パントリーの使い勝手は、扉の有無によっても変わってきます。先ほどご紹介した3つのタイプと組み合わせて、ご要望に合うパントリーを計画していきましょう。
扉あり
パントリーに扉をつければ、生活感のないスッキリとした空間をつくることができます。扉を閉めれば中身を隠すことができるため、突然の来客時にも安心です。パントリー内に保管している食材のにおいの広がりを抑え、キッチンからの水はね・油はねを防げる点もメリット。一方で、扉の開閉に手間がかかることや、通気性が悪くなる恐れがあること、扉の設置のために追加費用がかかることなどが、デメリットとして挙げられます。
扉なし
扉のないオープンなタイプは開閉に手間がかからず、キッチンとパントリーとの行き来がスムーズになります。ウォークスルータイプのパントリーであれば回遊動線をつくることができ、家事効率をより高めることができるでしょう。また、湿気がこもりにくいという利点もあり、食品の保存に適した環境を維持できます。デメリットとしては、汚れがつきやすいことや、整理整頓しないと雑然とした印象になりやすいことなどが挙げられます。
パントリーを計画する際のポイント
間取り・動線
パントリーを計画する際のポイントの一つ目は、間取りや動線を意識すること。例えば、買ってきた荷物をスムーズに運び入れたい場合は、玄関に直結する間取りにしたり、パントリーに勝手口を設けたりすると良いでしょう。キッチンで発生した生ゴミを外に出しやすいという利点もあります。また、バスルームやランドリーなどの近くにパントリーを配置すれば、キッチンと合わせて水回りを集約でき、家事の効率を高められるでしょう。
広さ・収納量
過不足ない広さでパントリーを計画することも、重要なポイントです。パントリーが狭いと十分な収納量を確保できず、後から増築しようにもリフォームが難しい場合があります。反対にパントリーが広すぎると、スペースを持て余したり、他の部屋を圧迫したりする恐れがあります。パントリーを計画する際には、家族の人数や、持ち物の量、用途や目的などを踏まえて、広さを決めましょう。
温度・湿度
パントリーを清潔に保つためには、温度・湿度の管理が欠かせません。高温多湿の環境下では、食品の劣化が進みやすく、カビや害虫も発生しやすくなります。熱や湿気を逃すためにはこまめな換気が重要で、扉や窓を開けたり、換気扇やサーキュレーターで空気を循環させたりすると効果的です。湿気対策には、除湿機や吸湿効果のある壁材などを活用し、食品は密閉容器に入れて保存すること。直射日光を防ぐための遮光カーテンや、寒暖差を抑えるための断熱材なども活用すると良いでしょう。
棚板の高さ・奥行き
パントリーの使い勝手は、出し入れのしやすさも大きく影響します。棚の奥行きは30〜45cm程度で計画されることが多く、浅すぎると収納量が少なくなり、深すぎると奥のものを取り出しにくくなります。また、棚板の高さに関しては、高すぎるとスペースを持て余し、低すぎると置けるものが限られてしまいます。このため、収納するものの高さに合わせて調節できる可動棚を採用すると良いでしょう。
デザイン
パントリーのデザインにこだわれば、見た目が美しくなることに加え、機能面でもメリットがあります。例えば、パントリーとキッチンのデザインを統一すれば、一体感が生まれて落ち着いた雰囲気に。シンプルなデザインにすれば、スッキリとした印象を作りやすく、必要なものを一目で見つけやすいという利点もあります。扉のあるタイプはものを隠して生活感を抑えることができ、見せる収納にすればインテリアの一部として楽しめます。
パントリーの設置費用の目安は?
パントリーを設置する際の費用相場は、一般的に以下の通りとされています。
・壁付けタイプ:5〜15万円程度
・ウォークインタイプ、ウォークスルータイプ:10〜50万円程度
パントリーの設置費用は、独立したスペースであるウォークインタイプやウォークスルータイプの方が高くなる傾向にあります。パントリーの広さや、扉の有無、内装の素材やデザインなど、さまざまな条件によって大幅にコストが変動することも留意しておきましょう。また、簡易的な壁付けタイプであれば後からリフォームで設置することも可能ですが、ある程度のスペースが必要なウォークインタイプやウォークスルータイプの場合は増築が困難であるため、新築時にご検討されることをおすすめします。
パントリーの上手な収納のコツ
定位置を決めておく
パントリーを上手に使いこなすには、収納するものの定位置を決めておくと良いでしょう。パントリーが大きく、ものが多い場合は、何をどこに片付けたかわからなくなってしまうことがあります。素早く取り出せるよう、よく使うものは手の届きやすい場所に収納しておきましょう。目線から腰くらいまでの高さは収納したものが見えやすく、手前側の位置に置いておくと取り出しやすいでしょう。
ボックスやケースを活用する
ボックスやケースなどで小分けすれば、整然とした印象の空間を作ることができ、在庫の管理もしやすくなります。例えば、透明容器はストック残量を把握しやすく、反対に中身が見えない容器は生活感を隠しやすい点がメリット。シールなどでラベリングすれば、中身が見えなくても何がどこにあるかが一目で分かります。取っ手やキャスターがついたものは、荷物を取り出しやすく便利です。
目隠しでスッキリ見せる
パントリーをスッキリと見せたい場合は、目隠しの活用が効果的です。生活感を抑え、落ち着いたキッチン空間を演出できます。扉をつけるとなると設置費用が追加で必要となりますが、カーテンやロールスクリーンであれば、より手軽に取り付けることができます。また、ボックスなどの容器を使えば、目隠しになるだけでなく、荷物の管理もしやすくなり、デザイン性と機能性を両立させられます。
棚の高さで使い分ける
棚の高さごとに収納するものを分けると、パントリーの使い勝手がさらに高まります。上・中・下段の三つのスペースに分けて考えた場合、上段は落下の危険性があるため、軽いもの(ゴミ袋、ペーパー、ラップなど)を置くと良いでしょう。中段は手に取りやすい高さであるため、賞味期限の短い食品や、使用頻度の高い消耗品などを置いて優先的に使用しましょう。下段には重いもの(米びつ、飲料、家電など)を収納すれば落下の心配がなく、棚にも負担がかかりません。
パントリーの実例紹介! 活用アイデア6選
レンガ調クロスでカントリー風に
レンガ調クロスでカントリー風に仕上げた、こちらのパントリー。手軽に、本物さながらの温かみと重厚感を演出しています。このように扉で仕切られた完全個室タイプは、他の部屋とは異なるデザインをピンポイントで楽しみやすい点も魅力と言えるでしょう。好みのデザインを取り入れることで、家事のモチベーションがさらに高まりそうですね。
色の寒暖がキッチンのアクセント
こちらの事例では、キッチンの背面にパントリーを配置。扉を引き戸にすることで、容量を確保しながらも場所を取らず、スッキリとした見た目に仕上がりました。手前の大きなカウンターには明るい木目のブラウン、パントリー部分にはグレーとブルーを採用。暖色と寒色を組み合わせることで、ほどよく引き締まったキッチン空間となっています。
土間収納で帰宅動線を効率化
こちらの土間収納は玄関から直接アクセスでき、ウォークスルーで通り抜けた先にはキッチンが配置されています。買って帰ってきた荷物を片付けやすく、料理の最中に取り出しやすい間取りとなっているため、パントリーとしての利用がぴったり。もちろん、外出に必要な道具や、アウトドア用品などを保管するマルチなスペースとしてもご活用いただけます。
ブルックリン風の書斎兼用スペース
キッチンから脱衣室へと続く通路に、パントリーをレイアウトしています。住宅のコンセプトであるブルックリンスタイルに合うよう、ダークブラウンの棚に黒色のケースを組み合わせ、使い勝手とデザイン性を両立させました。書斎として兼用できるよう、本棚やデスクも造作。空間を有効に使いつつ、家事効率を高める動線を見事に確保した事例です。
センスとこだわりが光るデザイン
キッチン横にパントリーを配置した、こちらの事例。扉のないオープンなパントリーとなっており、家型にくり抜かれた入口のデザインや、内部のレンガ調クロスから遊び心が感じられます。キッチン側は、壁紙やカウンターの色づかいや、背面の飾り棚がアクセントに。住み手のセンスとこだわりが光る、魅力的な空間となっています。
収納アイデア満載の便利なパントリー
こちらのパントリーは、多様な収納アイデアの組み合わせによって、大量ストックが可能となっています。アイテムの大きさに合わせて調整できる可動棚や、ひっかけ収納、マグネットシートなど、使い勝手のよいアイデアが満載。勝手口に隣接しているため、買ってきた荷物をスムーズに運び入れたり、生ゴミを外に出したりできる点も嬉しいポイントです。
まとめ
パントリーの必要性は、収納したいアイテムの量や、家族構成、ライフスタイルなど、さまざまな条件によって変わってきます。また、狭すぎると収納量が少なくなり、広すぎるとスペースを持て余してしまうため、過不足のない広さで計画することが重要です。今回ご紹介したパントリーの特徴や実例などを踏まえて、今後どのように暮らしていきたいのかを具体的にシミュレーションし、使い勝手の良いキッチン空間を実現させましょう。