屋上のある家の後悔しない建て方を解説。メリットを生かして外空間を楽しもう!

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ワンランク上のおうち時間を過ごしたいという方には、「屋上のある家」がおすすめです。気持ち良い青空の下でリフレッシュしたり、家族と気軽にアウトドア気分を味わったり、屋上にはさまざまな楽しみ方があり、そのニーズは近年ますます高まっています。今回の記事では、そんな屋上のメリットやデメリット、施工の注意点などについて詳しくご紹介していきます。
屋上とは
屋上とは、建物の最上部に設けられた屋外空間を指します。人が利用することを目的とした空間であるため、勾配のない平らな構造の陸屋根(ろくやね・りくやね)の上に設けられます。庭の確保が難しい都市部でも日当たりの良いアウトドアスペースを確保しやすく、注文住宅での需要が増えつつあります。
屋上のある家の費用の目安
屋上の施工費用の目安は、10〜20坪ほどの広さの場合、100〜300万円程度と言われています。雨水の侵入を防ぐための防水工事や、荷重に耐えるための補強工事などを行う必要があり、施工方法などによって金額に開きが出てきます。また、屋上の地面をウッドデッキ、タイル、人工芝などで仕上げる場合は追加でさらにコストがかかります。
屋上の間取りの考え方
ルーフバルコニーとの違い
ルーフバルコニーは、階下の屋根を利用して設けられる屋外空間を指します。屋上とよく似ていますが、同じフロアに居室がある場合はルーフバルコニー、ない場合は屋上に分類されます。ルーフバルコニーは居室の延長上に配置されるためアクセスが良く、空間に広がりと一体感をもたらします。一方、屋上は基本的にワンフロア全体を使って設けられるため、ルーフバルコニー以上に広々とした屋外空間を作ることができます。
ペントハウス経由でアクセス
屋上へアクセスするには、ペントハウスあるいは屋外に設けられた階段を経由するのが一般的です。ペントハウスは屋上の一角に設けられる階段室のことで、これを設置することで室内から安全かつ快適に屋上へ出入りすることができます。天候が急変した際に、一時的に避難したり、強風の際に屋外家具を片付けたりするのにも便利です。ペントハウスを設置する際は、床面積は建築面積(建物を真上から見た時の面積)の1/8以下、高さは5m以下という決まりがあります。
延床面積には含まれない
屋上は建築基準法上、延床面積(建物の各階の床面積の合計)に含まれないため、容積率(敷地面積に占める延床面積の割合)の制限が厳しい地域でも気にせず設けることができます。ただし、屋上に設置した高さ1.5m以上のペントハウスは延床面積に含まれるため、注意が必要です。また、屋上の用途や構造などの様々な条件によって法的な制約が異なってくる場合があるため、自治体へ事前に確認するようにしましょう。
屋上のある家のメリット
日当たりと開放感が抜群
屋上は建物の最上部に位置するため、日当たりが良く、開放的な気分を味わうことができます。周囲の建物に光を遮られにくく、また、見晴らしや風通しの良さも魅力です。気持ちの良い青空の下で過ごすことは、心身のリフレッシュにもつながるでしょう。
プライベートな屋外空間
屋上は庭よりもプライバシー性に優れています。庭は通行人から見えやすく、また、都市部の住宅密集地では隣家からの視線が気になってしまうことがあります。高所にある屋上に庭の機能を持たせれば、外部からの視線が気になりにくくなり、プライバシーの守られた屋外空間を作ることができます。
土地が狭くても庭を持てる
土地の広さや予算に限りがある場合、庭を作るとなると、どうしても居住スペースが窮屈になってしまいます。しかし、庭の代わりに屋上を設ければ、狭い土地でも居住スペースを圧迫することなく、屋外空間を作ることができます。また、屋上は建物の最上部を有効活用するため、地価の高い都心でも土地代を抑えることができます。
屋上のある家のデメリット
水はけが悪い
屋上のある家の屋根は陸屋根が基本ですが、勾配がないため、雨や雪が流れ落ちにくいというデメリットがあります。水はけが悪いため、雨水が建物に侵入しやすく、傷んだ場所から雨漏りしてしまう恐れもあります。このため、屋上を施工する際には併せて防水工事も行う必要があります。
落下事故の危険
屋上のような高所の屋外空間では、落下事故にも注意しましょう。安全対策としてフェンスや手すり、ラティスなどを設置することは建築基準法上でも義務づけられています。小さなお子さんやペットがいるご家庭の場合は特に、隙間からの転落や、柵の飛び越えなど、あらゆる危険性を想定して対策を講じましょう。
定期メンテナンスが必要
屋上は直射日光や雨風に直にさらされるため、どうしても劣化は避けられません。最低でも10年に一度は防水のメンテナンスが必要で、費用の目安は15坪で15万〜40万円程度と言われています。また、こまめに屋上を掃除して、ルーフドレン(排水口)の詰まりや、害虫の発生なども防ぎましょう。手すりやフェンスなどについても、破損した部材が強風時に飛ばされないよう、定期的に状態を確認しましょう。
屋上のある家の活用アイデア
アウトドアリビング
屋上の活用アイデアの一つ目は、アウトドアリビング。テーブルやソファなどの家具を置くことで、室内のリビングのような家族の憩いの場を屋外に作ることができます。晴れた日にピクニック気分を味わいながらランチを楽しんだり、仕事や家事の合間にお茶を飲みながらリフレッシュしたり、アウトドアリビングはさまざまな用途に活用できます。室内のメインリビングと、屋上のアウトドアリビングという選択肢があることで、おうち時間の楽しみ方の幅が格段に広がります。
バーベキューやキャンプ
屋上は開放感とプライバシー性が両立した空間であるため、バーベキューやキャンプといったアウトドアレジャーを自宅で気軽に満喫できます。仕事や子育てが忙しく遠出が難しいというご家庭でも、わずかな休みを利用して楽しむことができるでしょう。
バーベキューを屋上でする場合は、材料をキッチンから直接運ぶことができ、高所にあるため煙も気になりません。テントを張れば、それだけでキャンプ気分も味わうことができます。夜には家族みんなで星空を眺めたり、幻想的な間接照明に癒されたり、ゆったりとした時間を過ごすことができそうです。
洗濯物干しスペース
洗濯物を庭に広々と干したくても、敷地面積の都合でスペースを確保できない場合や、ご近所さんの目が気になってしまう場合など、さまざまな問題があるかと思います。そんな時は屋上が洗濯物干しスペースとして大いに役立ちます。屋上は広々とした空間を確保しやすいだけでなく、日当たりや風通しも良いため、洗濯物を乾かすのに最適な空間だと言えます。ランドリールームと屋上のアクセスを意識した間取りにすれば、より快適な洗濯動線を作ることができるでしょう。
子どもやペットの遊び場
明るく見晴らしの良い屋上では、お子さんもペットものびのびと体を動かすことができます。庭に遊び場を設けるとなると、道路への飛び出しや脱走などの心配が尽きず、遊び場の確保に苦慮されているご家庭も多いことでしょう。
庭の代わりに屋上に遊び場を設ければ、敷地の出入り口からの距離が遠くなる分、これらのリスクを軽減することができます。ただ、屋上を遊び場にする場合は、落下事故対策として安全な高さ・間隔のフェンスを取り付けたり、走り回って転んでも怪我しにくい人工芝にしたりするなど、お子さんやペットが安全に過ごせるように配慮しましょう。
菜園・ガーデン
屋上は日当たりや風通しが良く、植物の生育に適しています。自分で育てた草花が四季折々に変化する様子を眺めるのは癒しになりますし、野菜やハーブを育てれば、収穫の喜びを味わうことができるでしょう。また、屋上を緑化することで室内環境を快適に保てるというメリットもあります。
例えば、植物が日射を遮蔽し、葉が水分を発散することで周囲の空気を冷やすため、夏場も室内を快適な温度に保たれます。土壌にも断熱効果があり、冷暖房の省エネルギーにもつながります。さらに、雨天時には植物が雨水を吸収するため、雨漏りのリスクを下げる効果も期待できます。
屋上のある家を快適にする屋外家具
椅子とテーブル
椅子とテーブルがあれば、食事をしたり、休憩したり、屋上の用途をさらに広げることができるでしょう。軽量で移動しやすいものや、耐久性の高い素材を選ぶと、屋外でも安心して使えます。折りたたみ式のものを選べば、移動や収納に便利。よりリラックスできる環境を整えたい場合は、ソファやリクライニングチェアがおすすめです。
敷物(ラグ、マットなど)
屋上に敷物を用意すれば、室内のように靴を脱いで快適に過ごすことができます。地面がコンクリートやタイルになっている場合、夏場に特に熱くなりがちですが、ラグやマットを敷くことで足元の熱を和らげます。敷物などのファブリック製品は、耐水性やUV対策が施されたものを選べば、汚れや色あせに強く、長期間使用できます。
日除け(パラソル、オーニングなど)
屋上の日差しが強い場合は、日焼けや熱中症対策のために、パラソルやオーニングなどを設置しましょう。部分的に日陰を作れるパラソルは設置や片付けが手軽な点がメリット。より広範囲をカバーするならオーニングがおすすめです。オーニングは布製の庇のような日除けのことを指し、電動巻き取り式は開閉も簡単で、天候やシーンに合わせて使い分けられます。
遊具(ブランコ、ハンモックなど)
屋上を家族で楽しむなら、遊具があると良いでしょう。特に、ブランコやハンモックといった遊具は、子どもだけでなく、大人も楽しむことができます。心地の良い光と風を感じながら遊具に揺られ、ゆったりとした時間を過ごすことができるでしょう。
屋上のある家を後悔なく建てるポイント
屋上の施工が得意な工務店を選ぶ
屋上のある家は構造が特殊であるため、注文住宅を工務店に依頼する際には、屋上の施工が得意な会社や、実績が豊富な会社を選ぶ必要があります。杜撰な防水工事や補強工事は住宅が長持ちしないだけでなく、住み手の安全にも関わってきます。また、アフターメンテナンスや長期保証などについても事前に確認し、家を建てた後も長く寄り添ってくれる会社を選びましょう。
周辺環境を事前に確認しておく
屋上を快適に利用するためには、家を建てる前に周辺環境をしっかりと確認しておくことも大切です。特に、隣接する建物の高さや距離を把握しておかないと、視界が遮られたり、プライバシーが守れなかったりする可能性があります。また、風の強さや向き、周囲の騒音レベルなども確認しておきましょう。
住宅強度・耐震性を考慮する
屋上は用途によっては、物をたくさん置くことになり、家にかかる荷重が大きくなったり、一部に偏ってしまったりすることが考えられます。特に、アウトドアリビングとして利用するために家具を多く置く場合や、ガーデニングで鉢植えを多数置くことを想定している場合は、注意が必要です。家を建てる際には、住宅そのものが強固な構造であることが必須で、地震の揺れにも耐えられる高い耐震性能が求められます。
アクセスしやすい動線を作る
屋上を作る際には、室内と行き来しやすい動線を設けましょう。家族みんなが使いやすい屋上にしたいのであれば、室内のメインリビングとのアクセスを考慮すると良いでしょう。洗濯動線を快適にするのであれば、ランドリールームとの距離を近づけると便利です。また、屋上に行くための階段が不便だと、せっかく作った屋上の使用頻度が下がってしまう恐れがあります。昇降しやすいように、幅、勾配、段差の高さなどに配慮し、家族みんなが屋上を使いたくなる仕組みを作る必要があります。
電気や水道も忘れずに
屋上を多目的に満喫するためには、電気や水道の設置も忘れないようにしましょう。屋上にコンセントがあれば、持ち運び式の照明や、調理用家電、防寒用のヒーターなど、さまざまな用途に使うことができるでしょう。水栓があれば、植物の水やりや、清掃時に便利。バーベキューの後片付けなどにも役立ちます。
屋上のある家の施工事例5選
シンプルな仕上げは使い道が豊富
白一色で仕上げられたシンプルなデザインと、青空とのコントラストが美しい屋上。家具や植物は数を厳選し、全体的にコンパクトなサイズ感のものがレイアウトされています。デザインとエクステリアの無駄を省くことで、現代的なミニマリズムの機能美を感じさせています。
透け感のある手すりで眺望を楽しむ
外からの視線が届きにくく、開放的なプライベート空間の屋上となっています。オーナー様は、緑に囲まれた絶好のロケーションがお気に入りとのこと。シンプルなスケルトンデザインの手すりを採用したことによって、美しい眺望を邪魔することなく、安全性も確保できました。
家具を置いて癒しのひと時を
セカンドリビングやお子さんの遊び場に適した、ゆとりのある広さを確保しています。アウトドアファニチャーや小さなシンクも置かれているので、室内のようにリラックスして過ごすことができそうです。夜は足元灯が点灯してラグジュアリーな雰囲気に。夕暮れの団らんを華やかに演出します。
花火を一望できる屋上
こちらの屋上からは花火を一望できます。このような好立地に家を建てることができるなら、屋上の設置はもはや必然。屋上というプライベート空間で、ゆったりと花火を鑑賞できるのはこの上ない贅沢と言えるでしょう。頭上にはパーゴラが設置されているため、つる性の植物を絡ませて、日陰を作ることもできそうです。
コンパクトな住まいでも屋上は広々と
敷地が15坪、間口が5mという狭小住宅ですが、屋上を作ればこんなに広々とした屋外空間を手に入れることができます。屋上への出入りは3階に設けられたリビングの階段から。家族が集まるリビングからのアクセスが良いため、屋上とリビングを一体空間として使いやすく、活用の幅がさらに広がります。
まとめ
開放感たっぷりの屋上があれば、家族だんらんや、リフレッシュ、家事など、さまざまな用途に活用することができます。一方で、高所ならではの危険性を孕んでいたり、防水工事や補強工事にコストがかかったりするなど、屋上を設ける際には注意すべき点も多数あります。今回ご紹介した内容を参考にしながら、安全で快適な屋上を作り、豊かなおうち時間を満喫してくださいね。