緑化住宅で暮らしをもっと快適に。省エネにもなる、パッシブ住宅の緑化アイデア

緑化住宅で暮らしをもっと快適に。省エネにもなる、パッシブ住宅の緑化アイデアのインデックス
壁面やバルコニーなどに植物を多く取り入れている緑化住宅は、来客や街ゆく人に爽やかな印象を与え、住宅街の中でも一際目を引く存在に。植物が身近にあることは、家族にとって癒しであり、それ以上にもさまざまな効果が期待できます。そこで、緑化住宅のアイデアを上手に取り入れている、パッシブ住宅の緑化アイデアをご紹介します。
緑化住宅って、どんな住宅? また、その効果とは
緑化住宅とは、屋上やベランダ、壁面など、住まいのさまざまな場所に植物を取り入れている住まいのこと。緑化住宅にはいくつか種類があり、その場所によって効果も違ってきます。
屋上や屋根を緑化する「屋上緑化」は、建物の上部に植物や土があることで、家全体の断熱性能や冷暖房効率を高めてくれたりと、住環境をより快適にしてくれることが期待できます。外壁やバルコニーに植物を取り入れた「壁面緑化」は、日差しを遮って室温を調節したり、冷暖房効率を高めたりと、家族が快適で暮らしやすい環境づくりに役立ちます。また、家の中に植物を多く取り入れる「室内緑化」は、家族にとって癒しやリラックス効果も期待できるでしょう。広々とした芝生や家庭菜園を取り入れた「庭園緑化」は、家族でじっくり手を加えながら、長く楽しんでいける緑化アイデアです。
そして何より、屋上緑化や壁面緑化、庭園緑化は、植物を多く植えることで、二酸化炭素削減やヒートアイランド対策にも貢献します。取り入れる場所によって効果は多少異なりますが、緑化住宅は家族にはもちろん、地球環境にも優しい家なのです。
緑化住宅を取り入れることのメリット・デメリット
緑化住宅には、家族にとってさまざまなメリットがあります。植物が身近にあることで、森林浴をしている時のようなリラックス効果があり、さらにはストレス軽減や自律神経を整えてくれるなど、人の体や心にさまざまな効果があると言われています。また、植物には空気清浄効果があり、室内を適度に緑化することのメリットも大きいです。ホルムアルデヒドなどの有害物質を除去してくれたり、カビやバクテリアなども抑制するという研究結果も報告されているのです。
ただし、緑化住宅にはいくつかのデメリットも。屋上緑化の場合は屋上をしっかりと防水仕様にしたり、建物の積載荷重を考えたりと、家づくりの段階からプランに加えて考える必要があります。またその分、建築費用もかかってしまいます。
さらに、壁面緑化などは植物のメンテナンスに費用と手間がかかることを忘れずにいましょう。緑化住宅の植物は、お手入れをしているからこそ、外から見て美しいもの。手入れを怠ると、かえって見栄えの悪い住宅になってしまうので、注意が必要です。また、屋上やバルコニーに木を植える場合は、強風や台風などの影響で葉っぱや枝などが飛び、近所に迷惑をかけてしまうことも。適度に剪定やメンテナンスをする必要があります。
環境にも優しい屋上緑化は、都会のオアシス
こちらのお宅の屋上空間では、壁に沿うように樹木が植えられ、屋上緑化を楽しんでいます。リビングルームから続く空間なので、ハンモックやアウトドア用のチェアなどを置いて、アウトドアリビングとして活用しています。屋上壁面の開口部に植栽を植えることで、目隠しの役割も果たしてくれ、道路側からも緑が見えるデザインになっています。
こちらは、屋上にある階段室の屋根上に太陽熱集熱パネルを設置したパッシブデザインの住宅。屋上には、あらかじめガーデニングや家庭菜園ができるような花壇が設置されており、畑やハーブ園を楽しめるようになっています。屋上が設けられる条件であれば、集熱パネルを使って自宅で発電しながら、さらに屋上緑化で省エネ効果も得るなど、地球環境に優しいパッシブデザインの家を検討してみるのもおすすめです。
手軽に取り入れるなら、室内緑化でジャングル計画!
天窓や大きな開口窓があり、自然光がたっぷり入るサンルームは、光を好む植物を育てるのにもってこいの空間。このように室内を植物や花でいっぱいにし、ジャングル化してみるのもいいですね。床に置く観葉植物から、天井に吊るす垂れるタイプの植物、陽光を好む多肉植物など、さまざまな種類を置くことができます。
こちらのサンルームは、大中小とサイズ違いのさまざまな植物を一箇所にまとめて置き、インテリアの一部としても楽しんでいます。また、植物が家の中にあることは、リラックスや癒し効果のほかにも、植物を眺めることで視覚疲労が回復したり、緊張がほぐれて作業効率をアップさせるなどの効果も期待できます。
室内の壁を工夫して、植物を上から吊るすのもアイデアのひとつ。垂れるタイプの植物を置けば、下からも上階からも植物を眺めて楽しめます。お気に入りの植物を少しずつ見つけて増やしていき、お部屋をジャングル化していくのも楽しいもの。植物選びでは、なるべく手入れがしやすく、丈夫な種類を選ぶことも大切です。
お家でリゾート気分が味わえる、バルコニーの壁面緑化
こちらのバルコニーは、壁面の上部に鉢が置けるような工夫を施し、垂れるタイプの植物をずらりと並べて置いています。壁面を覆うように植物がのびのびと成長し、見た目にも涼しげ。鉢を置くタイプの壁面緑化なら、初心者でも取り入れやすく、植栽がダメになってしまっても交換すればOK。メンテナンスもしやすいですね。アジアンリゾートスタイルのソファやテーブル、ハンモックとの相性も抜群です。
狭小住宅の小さな空間でも、快適なバルコニーを設けることで、家族の憩いの場として活用できます。壁面には木のルーバーを採用し、適度に目隠しをしながらも光と風が通り抜ける工夫を。バルコニーの壁にぐるりと沿うように、ワイドな花壇とソファーがデザインされ、家族の目を癒してくれる植栽がたっぷり配されています。外観からもルーバーの隙間から植栽が見え、壁面緑化のような効果もあります。
街行く人の目も楽しませる、住宅の外観・壁面緑化
緑豊かな外観デザインは、住む人にとっても、街ゆく人にとっても癒しになるでしょう。こちらのお宅は、下から建物を見上げた時に、地植えした植物が適度な目隠しになってくれています。こうすることで、光と風を確保しながらも、外からの視線をナチュラルに遮断。樹木のゆったりとした成長とともに、住宅街のオアシスのような印象に変化していきます。
家を訪れる人からよく見える、エントランス正面の手すり部分に植物を配した、こちらのお宅。癒しの効果がありながら、通りから室内が見えないように目隠し代わりとしても、しっかり活躍してくれる壁面緑化です。ベランダの柵に蔦や垂れる植物を絡ませる壁面緑化は、水やりやお手入れがしやすいのも特徴です。
庭園緑化は、周囲の街並みに自然と溶け込む
まるで公園の一部のように、庭園緑化を素敵に生かした家。周囲の景観ともよく馴染み、デザイン面でも際立っています。周囲の目から爽やかに映るのはもちろん、家からの眺めも格別。大きめの窓からは青々とした芝生を望み、家族みんなが心豊かに暮らせるでしょう。
コの字でつながった二世帯住宅の前には、広々とした庭。ここは家庭菜園として活用されていて、二世帯をつなぐ大切な空間となっています。土いじりをすることは、家族同士のコミュニケーションにもなり、お子さんがいるご家庭なら情操教育にも役立ちます。家庭菜園は緑化の効果に加えて、家族で野菜を作る喜びを得たり、食生活の向上につながるなど、プラスアルファのメリットが期待できるでしょう。
まとめ
緑化住宅を取り入れるには、手間と費用がかかりますが、それ以上に家族にとって癒しであり、快適な住環境を作り出してくれます。さらに、二酸化炭素の削減やヒートアイランド対策など、地球環境にとってもいいことだらけ。屋上緑化や庭園緑化など本格的な緑化住宅から、手軽にできる室内緑化や壁面緑化まで、自分のライフスタイルに合った方法を、無理なく取り入れてみるのがおすすめです。