パッシブデザインでエコハウスを実現!省エネで健康的な家を実現する為、気を付けるべき事

パッシブデザインでエコハウスを実現!省エネで健康的な家を実現する為、気を付けるべき事のインデックス
今、家づくりを考えていらっしゃる方に知っていただきたいキーワードは「エコハウス」です。エコハウスとは、太陽・風・雨などの力をうまく取り入れて自然と共存する家のこと。環境に負荷をかけない暮らし、スローライフを目指す方にはとても魅力的に写るはずです。ではこのエコハウスは何なのかを解説いたします。
1.「エコハウス」とは?環境省が定義するものとは
エコハウスとは、エコロジーなライフスタイルに焦点を当てた家です。私たち人間も生態系の一部分、環境をに配慮し自然と共存しようとするのがエコロジーな暮らし方です。環境省が推進する「21世紀環境共生型住宅のモデル整備による建設促進事業」で示されたエコハウスの定義は、
「断熱・気密・日射遮蔽・日射導入・蓄熱・風通し・換気・自然素材」
の環境基本性能を確保し、これらの性能を組み合わせて自然エネルギーを活用し、化石燃料エネルギーの利用を最小限にとどめようというものです。環境基本性能を確保することをベースに、地域により異なる自然環境をも加味し、その土地でしか実現できない暮らし方をも突き詰めるものです。
エコハウスが目指すものは「人と自然がうまく調和する」こと。住む人自身にとって無理のない範囲でエネルギーを削減する工夫・行動も必要です
1-1.スローライフを希望する人にぴったり
全国20箇所でモデル事業が展開されたエコハウスですが、このうちのひとつ「山形エコハウス」を紹介します。この山形エコハウスの所在地は、山形県山形市。盆地という性質によって夏は暑く冬は寒い場所で、これまでに記録した夏の最高気温と冬の最低気温の差はなんと60.8度もあります。
この山形エコハウスで自然の恵みを最大限に取り入れる工夫は、ペレットボイラーや雨水タンクに顕著に表れています。ペレットボイラーでは地場の山林が生んだ木材ペレット燃料を使用でき、雨水タンクに溜めた水は植物の水やりに使えます。再生可能エネルギーも「地産地消」すれば運搬費用のロスもなく、環境負荷が少ないのです。
もちろん風通しも重視していて、屋根の大きな傾きを受ける面から入った風が、小さな屋根を受ける面へと自然に昇り抜けていくように設計されています。
新しい家ではスローライフな暮らしをしたいという方にとって、このエコハウスの考え方は参考になることでしょう。
1-2.エコハウスで「ていねいな暮らし」を
エコハウスは「エコノミー」というより「エコロジーを実践する家」です。二酸化炭素を吸収して成長した木材を利用するペレットストーブや薪ストーブは、燃焼時の二酸化炭素がプラスマイナスゼロのカーボンニュートラルな暖房器具です。しかしながら、燃料の確保や設備のメンテナンスに手間を要し、エアコンのようにスイッチを入れればそれでよいというわけにはいきません。
雨水タンクには「水道代が安くなるかも」と期待してしまいますが、手間の割には水道料金削減にはつながりません。
自然の力を活かし、それらの恩恵を余すところなく利活用する「エコハウス」は、生活を成立させるための手間を楽しみ、ていねいに暮らしを心がける家といえます。
2.パッシブでつくるエコハウス
パッシブエネルギーとは、太陽光やその熱、風―です。日常の中にありふれたものではあっても、それらがなければ私たちの生活は成り立ちません。それらの力を積極的に家の中に導き入れ、冬は暖かく、夏は涼しい家にする工夫をパッシブデザインといいます。エコハウスはこのパッシブという概念を組み込む事が大切になってきます。
2-1. 風通しを間取りによりコントロールすることで真夏・真冬以外は空調いらず
パッシブデザインの家は、寝室などプライバシーを重視すべき部屋以外はオープンにするという1つの手法があります。オープンにする事で風通しを保ち真夏・真冬以外は、屋外から取り込んだ空気で快適に過ごせるようにします。
具体的には以下のポイントを総合的に検討し、風通しを確保します。
・家全体で空気の入り口と出口を準備し、空気の通りを考える
窓と窓が対角線上にあれば、効率よく換気ができます。
一部屋ごとに、そして家全体でも風通しを考えて窓を設置します。
・地域ごとに特徴のある卓越風を考慮し、出窓やウインドキャッチャーで逃さず取り入れる
近隣に家が建て込んでいても、このような小さな仕掛けで空気を取り入れることができます。
窓の位置だけではなく、窓の形状・サイズにも気を配ります。
・空気は冷たいところから温かいところへ流れるという性質を利用する
自然対流の原理を利用し、室外と室内、そして1階と2階で立体的に空気が動くようにします。
自然対流を計算に含んだ風通しはとてもダイナミックで、夏の暑さをも軽減する効果があります。
風をデザインすることによって快適な暮らしを手に入れる事ができるのです。
2-2.太陽光を間取りによりコントロールすることで年中快適に
太陽の光は、明るさとともに温かさ(ときに暑さ)を与えてくれます。この太陽光の恵みを適切にコントロールできれば、過ごしやすいよい家ができます。夏は高く、冬は低くと、太陽光の差し込む角度は季節ごとに変わります。
日光とうまく付き合う方法には、以下のようなものがあります。
・太陽光の角度をシミュレーションし、軒やひさしの設計をする
夏の日差しをさえぎれば涼しく、冬の日差しの日射熱を利用すればあたたかい家に。
窓のサイズや取り付け位置によって日射熱がどれだけ変わるのか、シミュレーションソフトで計算ができます。
・庭に植える樹木の工夫
夏の日射熱を避け、冬の日射熱を取り入れる工夫のひとつです。
夏は葉を茂らせ、冬には葉を落とす落葉樹を植えます。
・樹木を植えられなくても庭を作る
コンクリートは熱を蓄えてしまいヒートアイランド現象の原因となります。
庭に芝生を植えるだけでもこれらの不必要な熱をカットすることができます。
・軒やひさしを設けられないときは代替案を用意
土地にかかる制約や予算の都合で軒やひさしを確保できないときがあります。
そのときは、シェードやルーバーの設置、緑のカーテン用スペースの準備といった他の工夫をします。
屋上緑化といった方法があります。
3.パッシブデザインの家は「健康的」
パッシブデザインの家は、自然の恵みを受け入れるために開いた場所。快適さを確保する目的で閉じることはしません。この特徴は、家族の健康と大きな関連性があります。
3-1.太陽光は「幸せな気持ち」を呼びます
太陽光は、私たちの生活リズムにとって重要なものです。朝一番に太陽の光を浴びると眠気がさめしゃきっとした気分になれます。太陽光には、多忙な日々でサイクルが狂いがちな私たちの体内時計をリセットする力があります。
太陽光を浴びると、幸福ホルモンともいわれるセロトニンの分泌が促され心の健康をキープすることができます。
また、日光浴によりビタミンDが生み出されると免疫システムの働きがよくなり、細胞レベルから健康になれるとされています。
日光がさんさんと降り注ぐ日に「気持ちいい!」と思うのは、体が太陽のありがたさを知っているからです。日光に接することの減る冬季は、家の中で日向ぼっこができれば最高です。
3-2.自然な風通しは「アレルギー対策」「家の健康キープ」にメリット大
アレルギー症状やぜんそくで悩んでいるご家族はいませんか。パッシブデザインの家は、そのトラブル解消の鍵となる可能性があります。
真夏や真冬には家の窓を閉め切ってしまいますね。この密閉状態はシックハウスやハウスダスト・アレルギー、喘息を引き起こしてしまう原因として認知されています。積極的な換気を目的に24時間換気システムを取り入れなければなりませんが、見た目にも複雑なダクト内では空気がよどんでいて、そのダクトがカビやダニの住みかになるケースもあります。
一方、自然な空気の流れを利用して、換気システムに頼りきりにならないパッシブ換気は24時間いつでも空気が動いています。化学物質の滞留、ぜんそくのもととなるカビ・ダニの発生を軽減します。
床下も含め家全体にパッシブ換気を導入すれば、木の家に多い悩みである土台や木材の腐食・腐朽を軽減でき、「家と家族の健康」を守れます。
手足を伸ばしてのびのびと大きく呼吸ができる家、それはパッシブデザインが実現します。
4.くつろぎの家は、パッシブデザインを駆使した先に得られるもの
パッシブデザインはとても素敵な概念です。自然から様々なエネルギーをもらい、ちょっとした工夫で人工的なエネルギーに頼らない、快適な生活をおくることができます。このパッシブデザインの概念を念頭に置き、「家づくり」に取り組む事で、環境に優しく省エネで、健康に配慮したエコハウスを建てる事ができると考えます。