二階建て住宅にはない平屋住宅9つのメリット

二階建て住宅にはない平屋住宅9つのメリットのインデックス
ゆったりの敷地に、シンプルな平屋づくりの家。こんな風に余裕のある暮らしがしたいと、平屋住宅に憧れている方も多いのではないでしょうか。平屋住宅は二階建てよりも重心が低いことで、地にどっしりと構えた印象があり、さらに大胆な片流れ屋根やシンプルな陸屋根(ろくやね)など、家の形でも存分に個性を出すことができます。そこで今回は、二階建てにはない平屋住宅の魅力をご紹介します。
平屋のメリット1.二階建てより個性を出せる、平屋住宅とはどんな家?
平屋住宅とは、1階建ての家のことをいいます。リビングダイニングやキッチンなどの共有スペースと、寝室などのプラベートスペース、お風呂など水回りがワンフロアにおさまり、比較的ゆったりとした敷地に建てられることがほとんどです。
日本の住宅はかつて、平屋づくりの家が主流でしたが、いつしかほとんどの家が二階建てとなり、都市部では三階建ての家も多く見られます。しかし最近では、あえて郊外の土地を選び、平屋住宅でシンプルに暮らす若い世代も増えているようです。
周囲が二階建ての家が多い中、広めの敷地にどっしりと構えられたモダンな平屋住宅は、通りをゆく人々の目を引きますよね。外観はもちろんですが、家の中にもさまざまなメリットがあるのが平屋づくりの家。では、平屋住宅にはどんなメリットがあるのでしょうか。
平屋のメリット2.ひと続きのフロアで、いつでも家族を感じていられる
平屋住宅の魅力は、なんといってもワンフロアで暮らせるということ。敷地に余裕のある平屋住宅なら、家族の共有スペースとプライベートスペースが適度な距離でワンフロアに共存できます。
例えばこちらの平屋住宅のように、中庭を中心にリビングダイニング側と家族の個室を渡り廊下でゆったりと区切ることで、家族それぞれのプライバシーを確保しつつも、いつでも顔を合わせることができます。名前を呼べば、すぐに相手に伝わる安心感もありますね。
お子さんが小さい頃はとくに、平屋住宅のワンフロアでの暮らしは安全面でもメリットが大きいでしょう。小さなお子さんをもつ親御さんにとって、階段での事故や怪我は常に気にしていなくてはいけないこと。将来を見据えてなるべくフラットな家にすることは、お子さんが小さい時期にも、そして将来的に夫婦二人の暮らしになったときにも、長く安心して暮らすことができるのです。
平屋のメリット3.間取りや天井高、スキップフロアなど家づくりの自由度が高い
平屋住宅の間取りには、「I型」「L型」「コの字型」「口の字型」と、大きく分けて4つのタイプがあります。どのタイプを選ぶかは、敷地の大きさや形によって決められることが多いでしょう。ご夫婦二人でミニマムに暮らすなら、「I型」や「L型」を選んで庭をたっぷり取るのもいいですね。お子さんがいる家族であれば、「コ型」で共有スペースとプライベートスペースを分けると、ワンフロアの中でもプライバシーが保たれます。敷地に余裕があれば、「口の字型」を選んで家の中央に中庭を設け、回廊型の平屋住宅を楽しむというのも素敵ですね。
二階を考える必要がない分、屋根の形に自由度があるのも、平屋住宅の魅力のひとつ。例えば片流れ屋根にすれば、ロフトを設けたり、天井を思い切り高くすることができます。また、シンプルな陸屋根(ろくやね)を選べば、箱型でスッキリシンプルな外観を楽しむことができます。
さらに、リビングダイニングの天井を高くとり、大開口を作ることで、平屋住宅とは思えない想像以上の開放感を演出することもできます。ワンフロアのリビングダイニングをスキップフロアにしたり、土間スペースを設けることで、空間をゆるく区切ってみるのも面白いですね。
平屋のメリット4.マンションのようなワンフロアだから、生活動線がスムーズ!
家づくりにあたって、重要になってくるのが生活動線です。マンションのメリットは、ワンフロアで生活動線がシンプルなところにあります。しかし、二階建て、さらに三階建てにもなると、上下の移動が生活動線を複雑にしてしまいます。
例えば、一階・二階・三階で水回りと洗濯物を干す場所、家族のプライベートスペースが各階に分かれてしまっている場合は、生活動線を考えると、かなり無駄な動きが出てきてしまいます。洗濯機で洗濯物を洗い終え、それを三階のベランダで干して、二階にあるそれぞれの寝室や子供部屋に持っていく。これだけでも、なかなかの重労働です。それをワンフロアですべて行うことができれば、生活動線がもっとコンパクトで無駄のないものになるはずです。
さらに、ワンフロアは掃除がしやすいというメリットも。掃除機を持って階段を上り下りするのはかなり大変です。住む人の年齢が上がれば上がるほど、ますますそう感じるでしょう。また、家の中でも最も埃が溜まりやすい場所は、階段とも言われるので、階段がないマンションのようなワンフロアの平屋住宅は、掃除がしやすい住宅と言えます。
平屋のメリット5.外と中の距離が近いリビングルーム
平屋住宅には、外の景色を眺められる大きな窓があるお宅が多いですね。庭に面してリビングに大きな大開口を設ければ、たっぷりの陽光も確保できます。戸建て住宅の良いところは、自然と近くで暮らせること。マンションは景色を楽しむという意味合いが強いですが、戸建て住宅の場合は扉を開ければすぐに庭に出ることができ、自然と共存して暮らすことができます。リビングからフラットに続くようにウッドデッキを設ければ、周囲の自然が感じられるアウトドアリビングとして、またひと味違った楽しみ方ができるでしょう。
また、犬や猫などのペットと暮らすご家庭にとっても、平屋住宅にするメリットは大きいようです。段差の少ないワンフロアの平屋住宅は、足腰の弱い小型犬などにとっても安心ですし、大型犬は庭で思い切り遊ばせることができるなど、動物たちにも優しい住宅と言えそうです。
平屋のメリット6.安定感のある構造で、台風や地震に強い平屋住宅
近年頻発している大型台風や地震などで、家の耐震性や耐久性などの安全面に注目している人も多いのではないでしょうか。地震の揺れや台風などの強風による家へのダメージは、家が縦に高ければ高いほど大きいものです。つまり、平屋はそんな地震や台風の被害を受けにくい構造なのです。
ただし、大雨の影響に関しては心配な部分もありますので、土地を選ぶ際には、水はけが良いかをしっかり確認し、地面よりも少し高く建てるなどの工夫が必要になります。日本はそもそも、自然災害が多く起こる国だったこともあり、平屋住宅は日本の環境に適した家のつくりなのだと言えるでしょう。
また、庇を大きく取ることができるのも、平屋住宅のメリットです。夏になると毎年、猛暑が深刻な問題になっていますが、庇を大きく取ることで日差しをしっかり遮ってくれます。これによって光熱費の削減に繋がりますし、さらに平屋の大きな屋根は太陽光発電を設置するのにも適しています。
平屋のメリット7.大掛かりな足場工事の必要がなく、修繕費用が安くて済む
家は建てたら終わりではありません。1年後、5年後、10年後とまめにメンテナンスしていく必要があります。とくに外壁や屋根の塗装には、かなりの修繕費用がかかってしまうものです。ところが、1階のみの平屋であれば、まず高い足場を組む必要がありません。高所の修繕作業がないということは、修繕費用をぐっと抑えることができるのです。
もちろん、修繕の具合や材料費などによっても違いはありますが、30年という長いスパンで考えたときに、平屋住宅では数十万円のコストカットが見込まれる場合もあると言います。
平屋のメリット8.将来的にも長く、安心して暮らすことができる家
二階建ての家にすると、将来的にお子さんが巣立ったあとは、二階をほとんど使わなくなるご家庭も多いでしょう。流行りの二階リビングは周囲からの視線を遮るのには最適な作りですが、住む人が高齢になった場合には、上り下りが大変になることが考えられます。リフォームをすることになれば、かなり大掛かりになってしまうでしょう。高齢になったらワンフロアのマンションに住み替えをする、というご夫婦もいらっしゃいます。
その点、平屋住宅はそもそもバリアフリーに近い作りや間取りになっているので安心です。住み慣れた家を離れるのは、高齢になってからでは大変な面も多いので、平屋住宅でマンションのようにワンフロアで暮らせることは、大きなメリットでしょう。このように、長く暮らすことを考えたときに、平屋住宅にはいくつかメリットがありそうです。
平屋のメリット9.建築費用は、土地探しや工事内容で工夫を!
建築費用に関しては、どの程度こだわるかによっても変わってきますので、二階建てと平屋建てでどちらが建築費用を抑えられるかは一概には言えません。平屋住宅はワンフロアに生活空間を収めるわけですから、そもそもある程度の敷地が必要になります。広い土地を求めると、どうしても土地代が高くなってしまいますが、郊外の土地などを上手に探すことで、土地代を抑えることができます。
また、二階建てに比べるとどうしても坪単価が高くなる傾向があるようです。一方で、平屋住宅の場合は階段や廊下のスペースが必要なくなる場合が多いので、延べ床面積が少なく済むため、二階建てに比べて結果的には建築工事費を抑えることができる場合もあります。
平屋住宅とはつまり、ワンフロアのメリットがあるマンションと、庭が楽しめて外観にもこだわりを持てる戸建てのいいとこ取りの家ということが言えます。家族との距離も近く、生活動線もシンプルなので無駄がない、掃除がしやすく安全面でもメリットが大きいなど、平屋にはいいところがたくさんあります。土地の大きさや費用面でクリアできるようであれば、長く安心して暮らせる家として、検討してみてはいかがでしょうか。