【実例紹介】キッチンの作り方から後悔しない為のポイント徹底解説
【実例紹介】キッチンの作り方から後悔しない為のポイント徹底解説のインデックス
キッチンは、家族の健康と食の楽しみを生み出す場所です。それと同時に、リビングやダイニングとの関わりが深いことから、「家族の憩いの場」と呼んでも差し支えないほど重要な役割を果たします。家事を担う主婦(夫)の方だけでなく、その他の方もご一緒にキッチンについて考えてみませんか。
笑顔のあふれる家を実現するための、キッチンの基礎知識や上手なキッチンの作り方などをご説明します。
1.キッチンの種類と使い勝手
キッチンとは、一言でくくってしまうのが難しいほど多種多様なレイアウトがあります。近年はニトリなど大手家具ブランドからシステムキッチンが販売されているケースもあり、知識があれば自由なキッチンを手に入れられるようになりました。間取りによって異なる使い勝手を理解し、キッチンの種類を知りましょう。
1-1.I型キッチンの使い勝手
多くの面が壁に接するよう、シンク・ガスコンロなどを横一列に並べたものが「I型キッチン」です。一般的で比較的よく目にするタイプですので、多くの主婦(夫)が使い慣れているのがこのI型キッチンではないでしょうか。多くの機能を一体化させたシステムキッチンを導入する際、選べる幅が広いのがI型です。
横への動きが多くなりますので、複数人で調理をするには少々不便が伴いますが、壁付けにすればキッチン設置の面積を狭く抑えることができるという特徴があります。シンプルで使い勝手のいい間取りとして、広く愛されるキッチンです。一方、キッチン用品や雑貨が全て見えてしまうため、生活感が出る点がデメリットと言えます。
1-2.Ⅱ型キッチンの使い勝手
シンクと下ごしらえスペース、ガスコンロなどの煮炊きのスペースを分離して並列に配置し、その間に人が出入りするようにしたものが「Ⅱ型キッチン」です。「洗う」「切る」「焼く(煮る)」の家事動線が三角形になりますので、複数人での調理も楽になりますが、スペースを多く必要とします。家具の置き方も含めた計画ができて、広いスペースをキッチンの間取りとして使える住まいならば、使い勝手が良いでしょう。
1-3.L型キッチンの使い勝手
シンクと下ごしらえスペース、煮炊きスペースを連続させながらも壁面に沿わせ、Lの字を描くようにレイアウトするのが「L型キッチン」です。いくつもの料理を同時に作るために必要な視界が広く取れること、「洗う」「切る」「焼く(煮る)」にかかる家事動線を短くできることがメリットです。
料理の時間を短く効率的に済ませたい主婦(夫)の方や、キッチンに充てられる間取りが狭い方には使い勝手の良いタイプでしょう。食器棚を置くべき場所が通路になっているので、家具との兼ね合いはシミュレーションが必要です。
1-4.U型(コの字型)キッチンの使い勝手
シンクと下ごしらえスペース、煮炊きスペースをU字型(コの字型)に配置したのが「U型キッチン」です。手の込んだお料理や品数を多く作りたい場合や、家族でお料理を楽しみたい場合等、キッチンを主役として使う時に選びたいレイアウトです。
これもⅡ型と同じく、調理内容やキッチンに立つ時間等のバランスを考えて検討すると良いでしょう。
1-5.アイランド型キッチンの使い勝手
I型キッチンを壁付けにせず、部屋の中心部近くに配置するのが「アイランドキッチン」です。お子さんの様子を見ながら料理をしたいときや、独立した島の形になっているので、キッチンの周りをグルグル回れるところがメリットです。ダイニングへの配膳を効率的におこないたい場合に選ぶとよい間取りでしょう。また、どの方向からもキッチンに近づきやすいので、お子さんも自然にお手伝いをしたくなるつくりでもあります。
しかしながら、部屋の中心部に近い部分に煮炊きスペースを設けることになりますので、汚れや匂いを気にする方もいらっしゃいます。また、キッチンの状態がどの角度からも「丸見え」となりやすいので、インテリアでごまかしのきかない間取りとも言えます。来客時に神経を使うという一面もありますので、ご注意ください。
2.キッチンの収納アイデアと便利スペース
キッチンといえば、食器や調理器具、常備しておきたい食品の収納と切っては切れない関係にあります。失敗しない収納作りには、いくつかのポイントがあります。
1-1.収納のコツは食器や調理器具の分量を把握すること
日常使いの食器や、常に使う調理器具、大きな土鍋やカセットコンロのような季節に合わせて使う食器は、本当に必要な分量を把握なさっているでしょうか。
必要な分量といっても、家族の人数、お料理によっていくつもの食器を使い分けたいかどうか、作るお料理の幅が広く調理器具が多く必要かなど、食生活や家族構成によってその差は大きいものです。
自分好みのキッチンを実現し、可能な限り作りつけの収納スペースにすっきりと収めたいとお考えのときは、「本当に必要なものはどれくらいあるのか」を理解しておく必要があります。
1-2.パントリーは便利な収納スペース
お米や開封前の調味料、ミネラルウォーターなど、食品のなかにもストックしておきたいものが多くあります。
近年では、災害時のために食品を多めに保存しておく「ランニングストック」という考え方定着し、保存食をある程度収納しておくことが一般的になりつつあります。
こうした保存食の収納に役立つのが、パントリーと呼ばれる収納スペース(小部屋)です。「Amazonパントリー」など公式ネットサービスの名称で親しんだ人も多いのではないでしょうか。非常に便利なことから、近年は建築の段階でパントリーを設ける家も増えています。
3.使いやすい間取りで理想のキッチンをつくるポイント
人というものは、自分の暮らす環境にどんどん慣れていくものです。しかしながら、どうしても慣れないもの・我慢できないものもあります。キッチンで失敗しがちなポイントを知り、後悔しないようにしてください。
3-1.キッチン家電の増加でコンセント不足
生活を便利にしてくれる家電は、多忙な私たちの味方です。キッチン家電も同じで、通販などで便利そうなものを買い足していたらいつの間にか増えていた、ということも少なくありません。恐らくこれからも便利なものがどんどん増えていくでしょう。
それらに対応するため、コンセントを多く設けること、家電のサイズに合わせられるよう収納の棚を固定式にしないなどの工夫が必要です。
3-2.ゴミ箱置き場を良い位置に準備していなかった
毎日出る生ゴミや、食品のパッケージなど、キッチン周りから出るゴミは膨大な量に及びます。調理しながらゴミ箱へ投入できるよう、ゴミ箱の位置も検討してください。ゴミ箱スペースを確保していなかったため、シンクにゴミを仮置きしなければならないようでは、調理に不便が生じます。分別ゴミ用ペールを置けるようにゴミ箱スペースを広めに確保します。
3-3.パントリーが使いにくく無駄なスペースになってしまった
パントリーに収納しておきたいものの中には、お米やシリアル、ミネラルウォーターなど重量があり、かさばるものも少なくありません。棚を固定式にしたり、パントリーを家の一番奥に設けたりすることで家事動線が長くなり、荷物の出し入れがしづらくなってしまう事例もあります。
もしも土地の広さや間取り面での制約が少なければ、パントリーを玄関や勝手口近くに作り、出入り口から直接アクセスできるようにするとよいでしょう。お子さんが小さいうちは、重たいものを通信販売で買うことも多いはずですので、宅配業者から受け取った荷物をスムーズにパントリーに搬入するためにも大切なことです。家事動線をしっかりと考慮してパントリーを配置しましょう。
もちろん、キッチンのそばにあることは最大のポイントです。
3-4.換気扇の位置がお隣さんに迷惑をかけてしまった
注文住宅で憧れのキッチンを実現することは比較的容易です。システムキッチンを用いたり、造作で高さや奥行き、イメージを作ったりしやすいからです。とはいえ、屋外と直接繋がる換気扇もしくは換気扇ダクトの位置はことさら念入りに検討しなければなりません。
というのも、隣家のリビングや寝室にニオイや油汚れが流れていくことで「ご近所トラブル」が起きることもあるからです。
3-5.熱源をどうするか迷ってしまった
調理のための熱源をIHにするか、ガスにするかで悩む方が多くいらっしゃいます。火事の可能性をできるだけ低く抑えるにはIHが有利ですが、炒め物など強い火力を必要とする調理の場合は不足を感じることがあります。また停電時には使えなくなるというデメリットもあります。心臓にペースメーカーやICD(植込み型除細動器)などを埋め込んでいる方が使えないというのも心配事のひとつです。
一方、ガスコンロも進化を遂げ、温度調節機能や、消し忘れ防止機能を備えたものも増えてきました。一概にどちらが安全かとはいえなくなってきているのです。
調理する料理の種類やキッチンに立つ人の年齢を考慮に入れつつ、しっかり検討しなければならない大きなポイントです。
【実例紹介】「キッチン」の施工例からみる重量木骨の家
人に欠かせない「衣食住」の「食」を支える大切なキッチンは、健康と家族のだんらんに最も近い場所です。機能的であること、最低限の家事動線で済むこと、美しさをキープしやすいことを重点に置き、理想的なキッチンを手に入れてください。
重量木骨の家の施工例の中から、あなたが思い描くキッチンに近いものはどれでしょうか。暮らしやすいミニマムな家事動線のヒントがここにあります。是非参考になさってください。